2年前、母が実家を離れてから、私は家じまいに向けて少しずつ実家の整理・処分をしています。
そんな中で、一枚の古い小皿を見つけました。
見つけたというより、その小皿の存在はチエちゃんが物心つく頃から知っていたのですから、「まだ、こんな古い皿を使っていたのか~」というあきれた想いでした。母はこの皿をおたまの受け皿として使っていました。
父と一緒に
ヨシヒサ伯父の葬儀に行かなければ、あの時、
浅草を訪れていなければ、私はこの皿を躊躇することなく捨てていたと思います。
私は発見してしまったのです。今まで全く意識したことのなかった小皿に書かかれた文字を。
「馬道(うまみち)」は、現在では町名が変わってしまった祖父の料理店があった住所です。
「新川屋」は、あの時父に案内されて訪れた祖父の店の隣の酒屋さんの屋号です。
おそらく、この皿は酒屋さんがお得意様に配布した粗品だと思うのです。
そしてそれは、文字が右から左へ書いてあるので、戦前の物と思われます。
ならば、この薄汚れた小皿は、80年以上もチエちゃん一家と生活を共にしてきたのです。祖父母が福島へ疎開する時、大事に持って来たものなのです。
そう考えたら、私はこの皿を処分することが出来なくなってしまいました。
こんなんじゃ、いつになったら実家の片付けが終わるのかなぁ。😓