チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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第165話 俺んチに来い!

2009年05月30日 | チエちゃん
 車はチエちゃんの知らない道を進み、曲がり角を何度も曲がって、とうとう目的地に着いたのか停車したのでした。
 ああ、どうしよう、どうしよう・・・ ええい、もう、どうにでもなれ!


 先週デートした時、ヒロシが言ったのです。

 今度、俺んチに来てくれないかなあ
 親父が連れてこいって言うからさ、なっ、いいだろ?

 う、うん、わかった。。。

内心の動揺を悟られないよう明るく返事をしたチエちゃんでした。
彼の家族に会うなんて、まだ早いんじゃないのかな?
付き合いだしてからまだそんなに経ってないし、もう少しお互いのこと知ってからでもいいんじゃないのかな?
家族に紹介してくれるということは、本気で付き合いたいってことなのかな?

でも、気に入ってもらえなかったら、どうしよう・・・


そこは、大きな家でした。
「さ、入れよ」
ヒロシにうながされるまま、玄関に入ると、奥の方から小太りの女性が出てきました。
「かあちゃんだ。 チエだよ。」

 こ、こんにちは・・・

もっと、何か言わなくちゃ・・・、でも言葉がでない! 
お母さんが何か話しかけくれましたが、極度の緊張で、チエちゃんは何を答えたものやらフワフワとしていたのでした。

 この後、応接室で小柄なお父さんに紹介されました。
ステキなお父さんでした。そして、残念だけどヒロシは母親似だなと思いました。
この時のお父さんとの会話もよく覚えていないチエちゃんですが、ひとつだけ、

 このアホ息子のどこが気に入ったのかなあ!?

そう言いながら、お父さんは笑ってくれたのでした。




私、合格したのかな?


ミノルっちのきゅうり

2009年05月26日 | チエの玉手箱
み~つけた!


同級会の時、私が「置いてないよ」と言ったから卸してくれたのかなぁ?

いつも行くスーパーの地元・近郊農家産直コーナーにありました。

ミノルっちの“きゅうり”

それも、昔ながらのブルームきゅうりですって。うれしいね。

でも、ほんとかな?

ブルームレスみたいにつやつや光ってる。


4本140円は少し高めだけど、うん、おいしい。

全然ものが違う。

今度会ったら、美味しかったって言わなきゃね。

第164話 口 紅

2009年05月22日 | チエちゃん
 この春の新色です。気に入ったので買ってみました。
それはそうと、チエちゃんが初めて口紅をつけたのは、何時のことだったのかしらん。

 女の子なら、お母さんの化粧品をイタズラ半分に失敬して、ほんのちょっとだけ大人気分を味わった経験があるでしょう?
でも、チエちゃんにはその経験がありませんでした。
なぜなら、チエちゃんのお母さんは乳液やクリームこそ持っていたものの、お化粧をしたことなどなかったからです。

 だから、あの時なんです。

 高校卒業を前に、女子には、化粧品会社の美容部員が学校へやって来て、メイクの講習会が開かれることになっていたのです。
社会人になるためには、お化粧も身だしなみのひとつということなのでしょう。
その日、チエちゃんもワクワクしながら、お友達と会場へ向かったのでした。

生徒のひとりをモデルにして、メイクをして見せるというのです。
クラスメートの金沢さんがモデルに選ばれました。
椅子にかけた金沢さんは、肩にケープをかけられ、前髪をピンで留められて、照れくさそうにしています。
美容部員のお姉さんは説明をしながら、ファンデーションをのばし、パフをたたき、アイメイク、頬紅、そして最後に、口紅を引きました。

「金沢さん、きれい!」お世辞抜きにそう思いました。

 チエちゃんは家に帰って、その時もらったサンプルキットを早速使ってみることにしました。
化粧品会社のお姉さんがやったように、ファンデーションをのばして、パフをたたき、アイシャドウを入れて、頬紅をブラシでつけて、最後にピンク色の口紅を引きました。

さて、出来上がったその顔は・・・

 何これ!お稚児さんみたい!

白っぽい顔に口紅だけが浮き上がり、どうしてもお祭りに化粧をしたお稚児さんにしか見えなかったのでした。

グラン・トリノ

2009年05月18日 | チエの玉手箱
映画「グラン・トリノ」を観てきました。

 このブログでも以前書いたとおり、私はクリント・イーストウッドのファンでしたが、彼の年老いた姿を見るのが厭で、「許されざる者」以降、彼の作品はほとんど観ていませんでした。
 今回見に行こうと思い立ったのは、先月劇場で冒頭の写真「グラン・トリノ」のポスターを見たからで、俳優として最後の作品になるらしいと知ったからでした。

 よかった! 本当に良い作品でした。

 タイトルのグラントリノは、フォード社製1972年型グラントリノのことで、アメリカの栄光に満ちた輝かしい時代を象徴したものと思われます。

 
 朝鮮戦争に出兵経験を持つウォルト・コワルスキー(イーストウッド)は、昔フォード社の工場に勤務していたことに誇りを持っていたが、現在は妻に先立たれ、息子や孫たちとの間にできた深い溝を埋めるすべも知らない偏屈で孤独な老人だった。
 ある日、隣に住むアジア系移民の少年タオが、不良少年たちに脅され、コワルスキーのグラン・トリノを盗みに入る。銃を向けて、タオを追っ払った彼だったが、通りがかりに偶然タオの姉スーの危機を助けたことや、タオが窃盗のことを詫びたことから始まった彼らとの交流は、コワルスキーを癒し、徐々に変えていった・・・


 グラントリノが海辺を疾走していくエンドロールで流れる主題歌が、味のある歌い方で、ものすごくよかったです。
 あの感動は、やはりスクリーンで見るべきですね。

 私は夕陽のガンマンやダーティー・ハリーにこだわっていたのかもしれません。監督としてのイーストウッドに期待したいです。とりあえず、「硫黄島からの手紙」を観ようと思っているところです。

 ちなみに、チエちゃんのお父さんはクリント・イーストウッドと同じ1930年生まれです。

グラントリノ



上 司

2009年05月14日 | チエの玉手箱
 珍しい人から電話がありました。

 チエちゃんか?(実際には、私の苗字を呼んだ)
 俺、誰だかわかる?

 はい、もちろんです。Tさんですね。ご無沙汰いたしておりました。

 俺、この春、帰ってきたんだよ。久しぶりだなあ。
 ちょっと、教えて欲しいことがあるんだけどさあ・・・

 それは、7~8年前、私の直属の上司だった人からでした。
質問の内容は、ちょとした事務処理のやり方だったのですが、数多い部下の中で、彼が私を覚えてくれていたことがうれしかった。

 彼は、いわゆる”仕事のできる人”でした。
私は長い職業人としての生活の中で、彼の下で仕事をした時ほど充実していた事は他になかったように思います。できる人の下で働くというのは、こういうことかと実感できた期間でもありました。
 お互いに仕事の中身・立場を理解し、全てを話さなくてもツーカーで仕事を進めることができました。
それに、彼はものすごく決断の早い人でした。指示を仰ぐと、その場で的確に回答を与えてくれたし、即決できない時には、期限を決め、その回答はいつも期限前でした。
それから、私に任せる部分は任せてくれていたのです。

 出世コースまっしぐらの彼だったのですが、昇任してしばらく経った頃、突然、

 俺はもう、派閥とか、ヨイショとか、ドロドロした世界が嫌になった
 俺は海外に行く!

そう言って、サッサと渡航してしまったのです。

 海外勤務と言えば、聞こえはいいのですが、私たちの職場では出世コースから外れるということでした。
その彼が、戻ってきていたのです。

 俺さ、海外に行って人生観変わったよ。
 今度、機会があったら話して聞かせるよ。

 はい、楽しみにしています。

 

横 濱

2009年05月10日 | チエの玉手箱
突然の用事ができて、横浜へ行ってきました。
それでも、行ったからには美味しい中華を食べたい!

そこで、中華街へ。飲茶しました
小籠包、最高!

 

 

おなじみのみなとみらいの夜景です。三脚がないので、やっとまともに撮れた1枚です。
今年、横浜は開港150周年ということで年間を通してさまざまなイベントが企画されているようです。
残念ながら、あまり観光はできませんでしたが、また行ってみたいなあ。

 

峠の力餅

2009年05月05日 | チエの玉手箱
高速道路1000円は魅力的ではありますが、渋滞は絶対イヤ(!)な私はお家でのんびりのゴールデンウィークを過ごしております。

とはいうものの、やはりどこかお出かけをしたい。
2日に近場の穴場的所へ力餅を食べに行ってきました。

福島から国道13号を米沢方面へ向かい、途中栗子の手前で左へ折れ、板谷方面へ向かいます。
山道を進むと、奥羽本線旧峠駅にある「峠の茶屋」に到着です。
明治27年創業(ちなみに、チエちゃんのおじいちゃんは明治26年の生まれでした)
ここの名物が力餅。峠の力餅は明治34年から始めたらしいです。

 

 

 冒頭の写真が、雑煮と納豆餅。
 こちらは、ミックス餅と山菜汁。ちょっと注文しすぎ!!
 茶屋のおじさんが自ら採ってきた山菜の説明をしてくれたのですが、見事に忘れました。

 





 お腹もいっぱいになったところで、滑川温泉 福島屋さんへ寄り道
 昔ながらの湯治場の雰囲気を残した温泉宿です。
 500円で日帰り入浴ができます。
 大浴場と女性専用の内風呂2つと、岩風呂・檜風呂2つの露天風呂が入り放題

 

 女性専用内風呂以外は混浴です

 

 混浴檜露天風呂に入っちゃった!

 

第163話 豆 乳

2009年05月01日 | チエちゃん
 チエちゃんが、にしゃばあちゃん家へ行く楽しみの一つに「豆乳」がありました。
トクおばさんが、時々ご馳走してくれるその不思議な飲み物が大好きだったからです。

 普通の日は、賢二兄ちゃんと賢三兄ちゃんは学校です。
だから、チエちゃんは豆腐を作るトクおばさんにくっついて、その様子をずっと観察していたのでした。

 にしゃばあちゃん家は傾斜した土地に建っていて、道路に面した玄関や居間が2階になり、階下は作業場となっていました。
その作業場には大きな石臼が据えてあり、モーターで回る仕組みになっていたのでしょう、ぐるぐる回転する石臼からは、ドロドロした白いクリーム状の物体が大きな金だらいに流れ込んでいました。(それが、大豆をすりつぶした豆腐の元であることは大人になってから理解したのでした。)
トクおばさんは、チエちゃん家のお風呂くらいの大きな釜にお湯を沸かし、そのドロドロした白い物体を入れるのです。
それから、大きな麻布を広げ、大きな釜から煮立った白い汁をこれまた大きな柄杓で汲んで、麻布の中へと注ぐのです。
麻布の口を絞り、それに太い丸太棒をあてて、てこの原理で更に絞っていきます。
すると、麻布の中にはおからが残り、下の入れ物の中に白い液体が出来上がります。
これが、豆腐のもとになる豆乳です。
その時、トクおばさんは小鍋に豆乳を少しだけすくって入れるのです。
それから、残った豆乳を豆腐の型に入れ、にがりを入れて重石を乗せるのでした。

 一連の作業を終えた後、トクおばさんは小鍋を持って、2階の台所へと向かいます。小鍋を火にかけ、砂糖を入れ、暖めなおしたものを湯のみに注ぎ、ちゃぶ台の前で待っているチエちゃんへ出してくれたものでした。

 ちょっと青臭いような、それでいて甘い飲み物は、にしゃばあちゃん家に行った時だけ飲むことができる特別なものだったのです。


 最近は、健康ブームで豆乳がスーパーでも手に入るようになりました。これも保存技術が進歩したお陰なのでしょうね。