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備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

稲ワラ確保

2010-10-12 20:09:55 | Weblog
稲刈りシーズン真っ盛り。ヒダスキで使う稲藁を戴いてきた。

戴き先は酒蔵。小生が20代からどっぷりと(呑む方も含めて)お世話になっている造り酒屋。岡山で雄町米復興のきっかけを作った蔵でもあり、備前焼の大甕で古式ゆかしくお酒を作ったりと精力的に展開されている。
味としては『醇酒』で、岡山のやや甘く濃い味の地魚料理などとの相性が良い。
小生としては、絞りたて(吊るしの!)大吟醸の酒粕で作る粕汁が「最高~~」であることは蔵元にはナイショなんだけど。あまり手に入らないのが難。でも、絶品。


という事で、小生が使うワラは酒米の雄町米のワラである。
ここ数年はずっと。多分この先も。理由は茎が長い品種であるからに尽きる。

ヒダスキはワラをモノに置いたり巻いたりして発色させる。
短いワラで長さが足りない場合は、接いで長くするけれど、その結び目がスッキリとしない景色になる場合がある。長いワラで巻ききれる方が美しい。特に大皿などでは致命的な差がでる。


しかし、稲という植物はスゴイなぁ。
実が食料になり、茎が梱包材(俵、ムシロ)、籾は緩衝材になり、さらに納豆菌も居るし、家畜の飼料や飼育資材、それでも残れば肥料にも。

備前焼からの観点でいえば、岡山が平地であったからこそ稲作が盛んでもあり、身近にあって手に入りやすい藁(梱包材・緩衝材)が、そのままヒダスキになったのであろうし……。


日本の歴史を支える植物ですなぁ。普段は意識しないけれど、5円玉にもはっきりと描かれているしねぇ。


あっ、ちなみに粟・稗(アワ・ヒエ)でもヒダスキは出ます。

これはある時の窯詰めで使った有機農法の稲ワラに、アワやヒエのワラが混じっている事があって、最初はきちんと選別していたけれど、ふと「昔の田圃の状態ならもっと混合していたかも。資材としてのモノをそんなに厳密に分けたのかな?」と疑問に思いやってみた次第。
経験上、遜色なく発色します。

という事で、古備前のヒダスキで、アワやヒエ由来のモノがあったりして……ね。(謎)





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備前陶心会@佐賀 会期中

2010-10-09 12:58:00 | Weblog
佐賀から帰ってきました。(まだ半分、会期は残っております。)

早朝5:00起きで、一路佐賀へ。10:00丁度に佐賀駅到着。すぐに会場である佐賀玉屋へ直行して、搬入作業ならびに飾りつけ。夕方には完了して、玉屋社長・主催会社社長・備前陶心会元会長・現副会長のお食事会に同伴させて頂き、佐賀県についての古今東西アレコレを大いに学ばせて頂きました。

お連れ戴いたお店は焼鳥・鶏料理の有名店で、期待に胸膨らむシチュエーションでもあり、またそれを上回る至福のひと時でした。ちなみに、リーゼントばっちりのロックな大将が打つ『締めの蕎麦』が、翁流のキリッとした絶品で「佐賀恐るべし」でした。
頭の中でその味を反芻しつつ、そのままバーへ。ロートレックやミュシャの「何処かに猫が潜んでいる」ポスターが沢山掛かっている不思議かつ落ち着く場所でした。小生の好きなタイプのお店でした。

その後の3日間も地元の食べ物を色々と頂きました。あとお酒も。

お客様のご招待でお伺いした日本酒のお店も最高~。「お酒ば、口の中でクチュクチュして呑みさらんかぁ~」というセリフのママが勧める地酒が「良か」でした。ママの独壇場でお任せで呑むのが最良の店です。有明モノでは、シオマネキの魚醤版『蟹漬け(ガニヅケ)』が初めて。その他は、イソギンチャク、亀の手、ヤリイカ、エツ、ハエ(ハヤ)、菱(ヒシ)の実をつまみつつ。

他に印象が残ったのが、中華では『馬肉団子の酢豚』、ランチではカレー。バーのカレーのような味の重なりを感じるこってりとしたソースでした。(「日本で一番旨い!」という評判もありましたが。)
個人的に行ったオススメ蕎麦屋は、かなり「?」で、逆に印象的。(日本で一番○○い~~。かも)

天皇陛下がお泊りになったホテルでの朝食バイキングは、初日のオムレツとコーヒーが良かった。あと自作コラボの『明太子onオムレツ』も。クロワッサン・フリークなので毎朝頂きましたが、3日目が……まぁ、良かったかと。


3日間の会場当番では、流石に『やきもの王国・佐賀』を実感しました。
伊万里・有田・唐津・民芸陶が身近にあり造詣が深く、また、県民の皆様が玉屋ゆかりの『田中丸コレクション』を誇りにされていらっしゃいました。
備前焼に関しては、今回のように、100名を越える作家の100年の幅がある作品、歴代人間国宝の作品もある大きな展覧会は初めての事でもあり、大いに喜んで頂けたようです。
マスコミ注目度も高かったようです。

会期後半となりましたが、是非、九州の皆様のご高覧承りますれば幸甚でございます。

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備前陶心会展@佐賀 玉屋

2010-10-04 19:10:49 | 展覧会・ご案内
所属しております備前陶心会の展覧会です。@佐賀玉屋です。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■ 備前一千年 土と炎の伝承 備前陶心会展 ■

期間 : 10/6(水)~ 11(月)
     10:00~18:30

場所 : 佐賀玉屋 本館6階 (HP
     〒840-8580 佐賀市中の小路2番5号
     0952-24-1151(代表)

    

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

現役会員(U50)だけでなく、OBの諸先輩方の作品も展覧されますので、会場準備は入念に丸一日かけて行われます。人間国宝から若手作家まで77名、約600点の展覧です。

小生は前乗りして、搬入展示等を行い、初日から3日間在廊しております。
会期中は、備前焼作家が延べ6名在廊致します。

 6~8日 伊勢崎創、森大雅、渡邊琢磨
 9~11日 木村英昭、越智龍一、豊福博 (敬称略)


佐賀県は、これまでに有田・伊万里・唐津と行った事はありますが、佐賀駅自体は初めてです。
本当に、某歌詞にあるように「徒歩通学でもヘルメット着用」なのか、「牛丼屋は吉田屋」なのか、「さがをさがそう」という標語は実在するのか確かめたいと思います。
あと、シシリアンライスも。


本日、伊部にて作品の集荷作業があり、夕刻に荷物満載のトラックは無事出発しました。
「明日、現地で~!」とお見送り。
そのまま伊部駅で切符を手配。それにしても乗り換えがあると切符って多いなぁ。(往復だしね)


皆様のご高覧、ならびにご来場をお待ちしております。m(_ _)m
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