備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

現場は混乱しております…

2007-06-24 03:04:26 | 陶芸

窯詰め開始。
備前焼は釉薬を掛けない『無釉焼締め』が最大の特徴です。その器に模様を描く事が出来る最大の要素が、窯詰めでの計算です。その他の要因として土の耐火度、金属の含有量、灰の種類……。それらのコンビネーションによって、備前焼の発色が生まれます。
『偶然の産物』ではあるけれど、『必然の算術』が必要。

ワラのあたった部分が緋色のラインとなる『ヒダスキ』
燃料の木から出る灰が溶けて、自然の釉薬となる『ゴマ』
燃えた熾き(おき)と反応して出来る『サンギリ』
その他に、ボタモチ・抜け・コゲ・緋色・紫蘇色・青備前・玉だれ・カセゴマ……と、様々な発色をします。


窯の前は、数ヶ月前に作ったものから、つい最近作ったものまで、色々な種類のものであふれています。それらをセッティングして窯詰めしていく。同じ形でも数種類の土を使い分けている場合もあるので注意。

窖窯(あながま)は正面の焚き口が窯の出入り口を兼ねている。、その為、窯の一番奥から詰める事となる。エッチラ、オッチラとトンネルを上がっていく。忘れ物があるとまた下って、登ってを繰り返さないといけない。一体、何往復するのだろう。

窯詰めの最初の頃は、体が慣れていない為に、頭や背中をぶつけたりする。
そして、いつもの事ながら、初日終了の頃は、足が笑っている……。