備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

割り木屋さん見学

2014-08-21 11:52:45 | 陶芸


今、企画中の展覧会の資料作りの為に、割り木屋さんへお伺いしました。
始めてみる現場で、大人の社会見学というか……ほぼ遠足です。

話には聞いていましたが、凄腕マシーンも見ました。
ひとつの機械で『丸太を寸法に切る、割る、カゴへ積み込む』までを一連の工程で行います。見ているとなかなか興奮します。
構造的には、チェーンソー・油圧式薪割り機・ベルトコンベアーがひとつになった簡単なものです。
動力はトラクターからシャフトで直結するパターンです。外国映画の農場のシーンにありがちな、あれ。

しかし、フィンランド製でもあり価格はちょっとした外国産高級車が買えるレベル。
かの国には、かなり普及している機械だそうですが、はるばる輸入すると大変ですね。

で、その凄腕マシーンを見た後でしたが、一番興味をそそられたのがこの歯車の物体。



玄関脇に置いてあったので、「機械好きオヤジが部品を大事に取っているのかな」と思っていました。
油にまみれた黒い鉄の塊。何かわからんけど……オブジェ?

しかし、さにあらず。
これがひとつの工作機械なのでした。


うはっ、カッコイイ!! (`∀´)/


これは、針金を輪っかにする機械。
薪を束にする時に使う針金を手作りされていました。
規定寸法に切った針金の両端を曲げてお互いに噛ませてセット。ペダルを踏むと歯車が、ガチャン~~グルン~~と回転してお互いを捻って結束する。



実演して頂きましたが、よく出来た機械です。
しかし、需要が極端にないので絶滅危惧種です。

で、他所の産地向けの輪っかの現状、昔の方法なども詳細にお伺い。
唐津では割った竹で縛ってそれをリサイクルするとか……。「ほほぅ、さぞ、積みにくいでしょうなぁ~」
昔の田舎暮らしなら、生活において何かを束にする必要性がチラホラあったのでしょうが、世の中が随分と変わってしまいましたね。
今なら、束を纏めてからPPバンドを熱圧着したり、シールする方法が簡単なのかな。

話をしながら、ずっと眺めていました。

ちなみに、これは廃業する割り木屋さんがオークションに出していたのを競り落としたものだそうです。
他に無いので仕方ありませんが、割と高価格です。
最新式も絶滅危惧種も、異なる理由ながらも価格的には致し方ないですなぁ。



シルエットもエエわぁ。


オブジェに欲しいなぁ。
いや~~、踏み込んだと時の音がエエんですよねぇ。