備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

アペリティフに

2012-09-10 19:48:23 | 料理・食材


お天気具合を睨みつつ、夕刻に草刈りして軽く汗をかいた後、そのまま番犬福助とウォーキング。
福助くんのご飯をあげて、小生は風呂場へ。この時点でノドのカラカラ具合はMAX。
ここで泡の出るものがあれば万全の態勢ながらも、本日はアワアワ系が皆さん不在。ビールも炭酸もないな……。

暗澹たる我が身の不幸を呪いつつ(こういう書き方って、昭和風翻訳の海外小説みたい)、
冷凍庫に愛用のグラスごと突っ込んでアイスを掬い、無造作にウイスキーを満たす。
このグラスは古いノベルティーで、何故かずっと手元にあって気が向いたら使っているモノ。昔のノベルティーは出来が良い。

さて、結露するグラスを片手に冷蔵庫の中を見やるとイチジクがある。

「『イチジクと生ハム』でアペリティフも良いな」

……と言っても、まぁ、今日は(…というか普段から)生ハムはお留守なんだけど。
『イチジクとお徳用スライス・ボンレスハム』の組み合わせは出来るけれど、ハムを消費してしまっては、明朝ハムエッグを作る子供達からの叱責を受けかねない。
あと、あのアミノ酸たっぷりソミュールの毒々しさは生で頂くにはちょっとキツイ。

さてさて、アテにするもののヒラメキが何も得られないまま、目の前の小振りのニホンイチジクを剥いて口に含む。
そして、ついでに片手に持ったままのウイスキーも口に含む。


その瞬間。 ぬぉ……( ̄□ ̄;)!!

衝撃が走りました。なんとも抜群のマリアージュ。
イチジクの天然ジャムの如き甘味とシャープなウイスキーのドライさが相俟って、爽快感のあとに深い余韻が残ります。

冷蔵庫物色中に、こんなマリアージュを発見するとは思いもよりませんでした。
スバラシイッ!


「これは大発見!」


……と思いましたが、ふと「これに生ハムの塩っ気と香りが加われば最高だろうなぁ~~」と思い至り、やはり定番の組み合わせの偉大さに感じ入りました。
なので、ぬか喜びというスパイスを足されたイチジク(生ハム抜き)でアペリティフですな。


まぁ、これも悪くないよ。うん。


ついでながら映画の影響で、『イチゴにシャンパン』ってあるけれど、あれって個人的には「?」なんですよね。きっとイチゴの品種やお酒にもよるのでしょうが、まだ巡り合っていません。
今日はおとなしく『イチジクにウイスキー』で、ひと口毎に「ぬぉ!」ってやりましょう。


まぁ、これも悪くないよ。うん。