山が色鮮やかになってきた。目立つのは大きな山桜。そして、あちこちに散らばるツツジ。
我が家から続く裏山は、荒れ放題のヤブになっている。しかし、想像力を働かせると、人が住んでいた痕跡が見える。
畑にしていたらしき平地。崩れた土留め。そこだけ違う植生。湧き水のある窪地……。
そんな事を観察しながら、散歩すると思わぬものを見かける。今一番わかりやすいのが、山の中に突然ある果樹の大木。他人の土地なので、ウチには縁が無い……きっと、あの実は酸っぱいハズだ。(byイソップのキツネ)
ウメ、モモ、ビワ、クリ。鳥や動物が運んだとは説明できない果樹林があったりする。藪の中に咲くビビットカラーのモモの花を見ると、なぜかしら「栄枯盛衰、諸行無常」という言葉がよぎる。
ウグイスが谷一杯に声を響かせている。
コジュケイも鳴いている。「チョットコイ、チョットコイ」。「お前が来い!」といつも思うけれども……姿は見せない。
その中で、「徳利ひけたかっ!」という叱責にも似た鳴き声。
その正体を探すと……。 いたっ!木の一番高いところに小さな鳥。よく見ると モズだ。
ホトトギスの真似をしている。
それを言うなら「テッペンカケタカ」ちゃいますか?
それとも、そう聞こえる小生に、「なにか問題でも?」
山は、すっかり春です。