何故か昔から白花が好きで、同じ花でも色変わりの『白』を愛でる傾向にある。心理的に問題があるのかと思った時期もあったが、割と白花好きの人は、世の中にいるらしい。白い花ばかり集めた写真集や図鑑もあったりするし。
数年前に植えたヒメコブシが順調に咲いている。コブシ(白花)を植えようと苗を買いに行った先で、このヒメコブシを見かけた。見た途端に、その高貴なピンク色に惹かれた。そして、花の下にあるベルベットのような繊細な質感のガク。その工芸品のようなガクに対して、華やかな花の色。あくまでもほのかで、俗気じみた感じが無い。予定変更で、珍しくピンクの花を買った。今では、桜が咲くまでに、春先にハンナリとした風景を作るお気に入り。
ただ、惜しむらくは、花の形。
花びらの一枚一枚が奔放に開いてしまって、まとまりが無い。同じ仲間のモクレンやコブシは、枝先に燭台を乗せた様に上に向いて、木の全体を彩るのだが……。まぁ、完璧でないから良いのだろう。美人は3日で飽きるというけれど、この花は毎年の楽しみをもたらしてくれるからね。