ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

秋風よ

2019-10-13 20:09:38 | 日記
                   秋風よ


               秋風に
               震える
               枯葉が
               空に漂う

                 すでに
                 割れた茶碗から
                 海水がこぼれているのに
                 どうしようもなく
                 流れに
                 押されて
                 戻ることができない

                 眉をひそめて
                 非難する
                 まっとうな正論
                 
                 二酸化炭素を
                 浄化して
                 清らかな酸素に
                 するには
                 石灰化した肺

                 茶色ににごった
                 山の湧き水は
                 嘆き悲しんで
                 土を
                 こぶしで
                 激しくたたいたので
                 氾濫
           
                 地球の
                 反乱

               秋風よ
               そんなに怒り狂ったのか

               静かな
               ひそやかなはずの
               秋風よ
               

                

つきの使者

2019-10-11 21:51:31 | 日記

                    つきの使者


                せまる目は
                くぼんだ眼窩

                胸の奥で
                不安が
                渦を巻き

                 地球が
                 ちりあくたを
                 吸い込み
                 肺炎
                 熱をはらんで
                 痰がらみ
                 白い
                 足跡が
                 線を描いて
                 のた打ち回っている

               迫りくる
               つむじ風

               荒れ狂い
               舞い踊る
               長い乱れ髪

                 暑苦しく
                 北極は
                 溶け出して
                 水が
                 あふれ
                 地球から
                 流れ落ちて
                 ぽたり
                 ぽたり
                 と
                 星のかけら

              紺色の夜空に
              かすんだ金色の月

                 なだめる
                 よしよし

                 地球よ
                 青い美しい
                 地球よ

                 人間を
                 ゆるしてくれ

                 すすき 
                 と
                 だんご
                 を
                 あげるから
               

        

                

現状-十・十空襲-

2019-10-10 16:57:48 | 日記

                      現状-十・十空襲-


                毎日
                毎朝
                毎晩
                
                へりと
                戦闘機
                の
                往復
                
                夕飯は
                空を見上げて
                首をすくめ
                逃げることも考えながら
                食べるから
                30回噛んで
                味わうには
                お椀が
                右往左往して
                なにが
                のどを通過したのかわからない

                ただ
                爆音が
                夕空を通過したこと
                を
                知らしめている
                夕焼けのあか

                このあか
                粉塵となった
                那覇の街の
                傷
                癒えることはない

閉じている

2019-10-09 20:46:35 | 日記
                  閉じている


               閉じた場所で
               暗い企み

               少女も
               少年も
               そのままに
               大人にならず
               氷にして
               育たず

               はしゃぎ
               悪意を
               気づきもせず
               
               むじゃきに
               いじり
               という
               暴力

               想像力の欠如
               何を今まで学んできたのか

               閉じた空間で
               繰り広げられる
               暗い
               じめじめした
               湿気の中で
               育つ
               毒を吐き出す
               
               やんだ
               闇の住人

               学校ではなく
               もはや
               がけのうえの
               かたむいた
               ケイジョウ

               閉じた
               窓のない

             
               
               

               
               

さけぶしじん

2019-10-08 18:22:20 | 日記
                        さけぶしじん




                 直立不動は
                 過去のたち方で
                 ふにゃふにゃで
                 たってられなくて

                 精神は
                 緊張状態の
                 交感神経が屹立して
                 ぴりぴりに
                 尖って
                 
                 他人と交感せず
                 とんがった
                 きりで
                 刺しては
                 傷だらけにして

                 精神の崩壊さえ
                 起こしかねない

                 明治のヤマアラシ先生なんか
                 どこにもいない

                 中学生も真っ青な
                 あらしの
                 荒廃した
                 学校だったり
                 おうちだったり

                 どこに
                 安住の
                 桃の花咲く
                 里はあるのか

                 音楽の教科書は
                 パンクか
                 ハードロックにしなさい

                 国民の負託にこたえて
                 責任を持って
                 無責任な
                 千両箱に菓子折りをつける
                 越後屋もろとも
                 悪代官を
                 罰しなさい

                 さみしい星に
                 折り紙を
                 飛ばしなさい

                 土を
                 耕して
                 新しい空気を
                 入れなさい

                 長い長い道を
                 自分の足で歩きなさい

                 箒と雑巾を使って
                 床を掃除しなさい

                 人間をかえせ
                 と
                 大声で叫びなさい