ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

みあのつぶやき

2012-06-09 09:17:57 | 日記





           MIAのつぶやき

                 あねさんは
                 おいらを
                 高速で
                 疾走させ

                 夜の路地で
                 がたごと
                 のろのろと
                 重い
                 脚で
                 歩かせ

                 あねさんが
                 おいらに
                 つぶやく

                 「おかげでさ
                  しまじりまでいけた」

                 あねさんは
                 よく
                 めをしょぼつかせ
                 「かあさん、ありがとう」って
                 大きな建物の前の道で
                 つぶやいている

                 おいらもなけてくるよ
                 あの建物の駐車場で
                 陽射しに焼かれ
                 夜露にびちょびちょ 

                 あねさんをまって
                 一日中
                 白線の中

                 あねさんは
                 このごろよくどなっている
                 「こらー、ばかやろうー」
                 あねさん
                 実は
                 「暴走はおすきかもな」

                 おいら
                 きずだらけの
                 どら「くるま」

                 みあ
                  
                 

                 

               
                 

6月の雨

2012-06-02 22:39:17 | 日記




                6月は土砂降りの雨
                      
                      あめは
                      向こうから

                      ニライカナイ
                      のはずが
                      鉄の船は
                      幾重にも
                      小さな島を
                      囲み

                      どしゃぶりの
                      あめあらし

                      腰まで泥水に
                      つかった
                      もんぺの
                      ひとは
                      はたち

                      紅を
                      さすこともなく
                      おさげのまま

                      にげまどって
                      髪を切り落とし
                      カーキ色の
                      おとこものの
                      上着とズボンに身を包み

                      6月のどしゃぶりの鉛の雨に
                      うたれて

                      泥水の中に
                      ころげた

                      いってしまった
                      年月は
                      いまもつづいて

                      フェンスに囲まれ
                      逃げられず

                      鎖をひきちぎれ
                      
                      考えることを
                      やめさせられた
                      たみ

                      いたんだたみ
                      
                      6月の土砂降りの雨に
                      うたれて

                      イジュの花を

                      カンナの花に

                      真っ赤なデイゴの花に

                      染め