ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

なぐさめる

2024-06-17 00:11:56 | 日記
                     なぐさめる                 

                  しょんぼりの
                  ひざに
                  ねこがとなりにきて
                  そっと
                  なめた
                  「うん、だいじょうぶだよ             
                    ありがとう。」

                  いつもは
                  じゃりじゃりの舌
                  そっとなめるから
                  おもわず
                  返事をしてしまった

                  さみしくない昼間の
                  ひとりの床の上

                 

小雨の街で

2024-06-09 22:26:32 | 日記

                     小雨の街で
                   

                 小雨の街を
                 歩いた

                 見知らぬおばさんが
                 微笑みかけてくれる

                 こんにちは
                 雨が降ってきましたね

                 みんなさみしい
                 雨の夕方は

                 いきているから
                 と思ったら

                 いままでみえなかった
                 看板の色が
                 輝いていた

                 小雨の街で
                 ありがとう
                 と
                 つぶやいた

南の海

2024-06-09 00:30:30 | 日記

                      南の海


                   南の海は
                   鉄板
                   魚が焦げて
                   誰もとりにこない

                   大砲に囲まれているから
                   おっかなくて
                   魚釣りができない

                   海に線は引けないのに
                   わざわざ線をかいて
                   陣取りしている

                   青い青い海は
                   美しいから
                   島の岩はとんがって
                   ひとを近づけない
                   白い波がざぶーと
                   岩に砕けて
                   散るんだ

                   南の海で
                   にーちゃんは
                   子どもたちと泳いで
                   楽しそうに過ごしていたんだ
                   あの浜で

                   南の島は
                   誰も近づけない
                   さめが
                   尖ったくちばしをして
                   ぐるぐる回っているから

                   美しい誰のものでもない
                   南の島の海


                   

擦り傷

2024-06-08 23:39:18 | 日記
                      擦り傷

                   
                   一日ひとりぼっちで
                   もう何も思わず
                   すごしている
                   
                    ひりひりと
                    擦り傷が
                    しみるような日々は
                    くることはないような気がする

                   見上げた空は
                   ひとり分で
                   こだまは
                   耳の奥で
                   拡大し
                   ただ
                   静寂だ

                    鼓舞する太鼓は
                    向こうで
                    かすかに
                    鳴っているが
                    近づいてはこない

                   あこがれや
                   きらきらした希望は
                   曇ったガラスに閉じ込められ

                     あせりやあきらめも
                     さらさらと
                     乾いた砂の粒になり

                   あの水で満たした
                   はちきれるくらいの
                   ゴム風船は
                   その重さで
                   伸び切ってしまった

                     背を向けて
                     叫んだ
                     もういらないという声が
                     いたんで

                     きしむんだよ
                     そして
                     縮んだ 
                   
                   

                    
                   
                 

証ー感謝状ー

2024-05-29 22:11:52 | 日記
                       証ー感謝状ー


                   よろよろと
                   たおれそうになって
                   ささえるものは
                   柱

                   はしらにつかまり
                   ふらつく
                   あしもとを
                   ふんばり

                   あーゆかがあって
                   よかった

                      きょう
                      同期会のお知らせのメールと
                      確認の電話があり
                      学校にいる頃には
                      話すことのなかった
                      同級生がなつかしく

                      私を支えるものが
                      ここにもいると
                      おもってしまったのだよ
                      過去の自分に逢い
                      あしもととは
                      過去

                   なつかしいともよ
                   同じ時間を過ごしたひとたちよ
                   
                   ぼろぼろになった思いから
                   ひきあげてくれた
                   その声よ

                   それは
                   遠い記憶の自分でもあり
                   確認の
                   作業

                   生きている証