第99回はソニー・スティットの「パーソナル・アピアランス」です。
「PERSONAL APPEARANCE」 VERVE MGV-8324
1. EASY TO LOVE (*)
2. EASY LIVING
3. AUTUMN IN NEW YORK (*)
4. YOU′D BE SO NICE COME HOME TO
5. FOR SOME FRIENDS
6. I NEVER KNEW
7. BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA
8. EAST OF THE SUN (WEST OF THE MOON)
9. ORIGINAL? (*)
10. AVALON (*)
11. BLUES GREASY(*)
SONNY STITT(as*, ts) BOBBY TIMONS(p) EDGAR WILLIS(b) KENNY DENNIS(ds)
録音 1957年5月12日
1950年代のソニー・スティットは、プレスティッジやヴァーヴに数多くのレコーディングを行っていますが、アルト・サックスによる演奏が余りにチャーリー・パーカーに似ているとのことで、テナーに専念していた時期もありました。
しかし、彼の真骨頂は、やはりアルト・サックスであると思います。(*印の演奏)
スティットはバップを基軸としたアドリブの名手であり、スタンダードを豪快にスインギーに、しかも流れるように次から次へと繰り出すメロディーは、聴いているとその中にどんどん引き込まれていきます。
1曲目の「イージー・トゥ・ラヴ」はミディアム・テンポで、また9曲目の「アヴァロン」はミディアム・ファーストで、アルト・サックスをフルに鳴らしています。
3曲目の「ニューヨークの秋」は短い演奏ですが、オブリガートを交えながらメロディーを忠実に吹いています。
9曲目の「オリジナル」とされるブルースは、テナーで先行し、ピアノ・ソロを挟んでアルトに持ち替えでプレイしており、グリコのおまけのように“1粒で2度美味しい”演奏が楽しめます。
また4曲目の「ユード・ビー・ソー・ナイス・・・」はアート・ペッパーの演奏で有名ですが、テナー・サックスを吹くスティットもメロディ・メーカーとして素晴らしい演奏を披露しているし、ピアノやベースにもソロ・スペースが与えられています。
最後を飾る「ブルース・グレイシー」、
スティットお得意のブルースは、ピアノの4小節のイントロの後を受けて、ゆったりしたテンポで貫禄の3コーラスを演奏しています。
そして再びピアノに戻って1コーラスを弾くティモンズは、後年の泥臭いゴスペル・タッチはまだ披露されず、バド・パウエルからの影響が色濃く出たプレイとなっています。
このレコードは、この時期に録音された多くのアルバムの中で、ベストかどうかは別として、スタンダードを中心とした歌心満載のワン・ホーン・セッションで、しかも若干21歳のボビー・ティモンズのファンキー路線前のプレイが聴ける貴重な1枚でもあります。
「PERSONAL APPEARANCE」 VERVE MGV-8324
1. EASY TO LOVE (*)
2. EASY LIVING
3. AUTUMN IN NEW YORK (*)
4. YOU′D BE SO NICE COME HOME TO
5. FOR SOME FRIENDS
6. I NEVER KNEW
7. BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA
8. EAST OF THE SUN (WEST OF THE MOON)
9. ORIGINAL? (*)
10. AVALON (*)
11. BLUES GREASY(*)
SONNY STITT(as*, ts) BOBBY TIMONS(p) EDGAR WILLIS(b) KENNY DENNIS(ds)
録音 1957年5月12日
1950年代のソニー・スティットは、プレスティッジやヴァーヴに数多くのレコーディングを行っていますが、アルト・サックスによる演奏が余りにチャーリー・パーカーに似ているとのことで、テナーに専念していた時期もありました。
しかし、彼の真骨頂は、やはりアルト・サックスであると思います。(*印の演奏)
スティットはバップを基軸としたアドリブの名手であり、スタンダードを豪快にスインギーに、しかも流れるように次から次へと繰り出すメロディーは、聴いているとその中にどんどん引き込まれていきます。
1曲目の「イージー・トゥ・ラヴ」はミディアム・テンポで、また9曲目の「アヴァロン」はミディアム・ファーストで、アルト・サックスをフルに鳴らしています。
3曲目の「ニューヨークの秋」は短い演奏ですが、オブリガートを交えながらメロディーを忠実に吹いています。
9曲目の「オリジナル」とされるブルースは、テナーで先行し、ピアノ・ソロを挟んでアルトに持ち替えでプレイしており、グリコのおまけのように“1粒で2度美味しい”演奏が楽しめます。
また4曲目の「ユード・ビー・ソー・ナイス・・・」はアート・ペッパーの演奏で有名ですが、テナー・サックスを吹くスティットもメロディ・メーカーとして素晴らしい演奏を披露しているし、ピアノやベースにもソロ・スペースが与えられています。
最後を飾る「ブルース・グレイシー」、
スティットお得意のブルースは、ピアノの4小節のイントロの後を受けて、ゆったりしたテンポで貫禄の3コーラスを演奏しています。
そして再びピアノに戻って1コーラスを弾くティモンズは、後年の泥臭いゴスペル・タッチはまだ披露されず、バド・パウエルからの影響が色濃く出たプレイとなっています。
このレコードは、この時期に録音された多くのアルバムの中で、ベストかどうかは別として、スタンダードを中心とした歌心満載のワン・ホーン・セッションで、しかも若干21歳のボビー・ティモンズのファンキー路線前のプレイが聴ける貴重な1枚でもあります。
これはよいアルバムですね。僕もよく聴きました。スティットの演奏に加え、リズム陣がよくて、ティモンズに、どっしりとしたドラムスのケニー・デニスと重量級です。
スティットは、ジャズ喫茶で人気がありませんでした。明るめの演奏で、情緒をあまり絡めなかったせいだと思いますが、その分ストレートに吹き、抜群のテクニックでソロを構成していくところはやはり素晴らしく、たまに聴きたくなります。