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私の愛聴盤(第128回)

2019-03-24 | 私の愛聴盤
第128回は、アデルハルト・ロイディンガーと山下洋輔のデュオ・アルバムです。
ヨアヒム・キューン&エジェ・テリンのグループに参加していたロイディンガーですが、彼のリーダー・アルバムが見つからないので、70年代に録音された山下洋輔とのデュオ・アルバムを取り上げました。
この時期、山下とのデュオ・アルバムは3枚ありますが、内容、バランスからして、このアルバムがターンテーブルに乗る回数が多いです。
「INNER SPACE」 enja 3001
  
1. COUNTRY WALK
2. TIGHT PANTS
3. SOFT WALTZ
4. GREEN WAVE
山下洋輔(p) Adelhard Roidenger(b)
録音 1977年6月24日
1曲目の「COUNTRY WALK」は、春の日差しと解放感が感じられる今時にぴったりの曲、
2曲目の「TIGHT PANTS」は、最初に山下がテーマを示した後に、ロイディンガーが1小節を8つに刻んで進行していくアップ・テンポの曲で、最後までテンポが変わらないことから、山下のプレイも抑え気味です。
3曲目の「SOFT WALTZ」は、2小節を一つのモチーフとして、ベース・パターンを決め、その上を山下のピアノが軽快に走ります。
裏面を占める「GREEN WAVE」は、ゆったりしたテンポでスタートし、フリー・リズムの中で相手の状況を伺いながら「音」で対話し、後半は4ビートに変化していくのですが、そこに至っては単なるスイングでは収まらず、後半では山下お得意の激しいプレイが飛び出し、これに負けじと応酬するロイディンガーが聴きどころとなっています。
2人のバランスは、中央から左寄りにピアノ、少し右寄りにベースという位置取りですが、左右の音量がほぼ同じため、全体が中央に集まって聴こえるという好ましいバランスとなっています。
そして、ロイディンガーのプレイは、ヨーロッパの他のベーシスト同様、音程がしっかりしていて、楽器の響きも良いです。


また、日本フォノグラムのジャズ・レーベルからの2枚は・・・
「WAVE SONG」 FRASCO FS-7024
  
1. WAVE SONG
2. ONE FOR CHARLIE
3. SOFT WALTZ
4. SOMETHING SPANISH
山下洋輔(p) Adelhard Roidenger(b) 小山彰太(ds)…1のみ
録音 1977年7月21日
こちらは右にピアノ、左にベース(トリオではドラムスも)の配置となっていますが、共にセンター寄りで、2人の「音」が大きく広がっていないところは前作同様です。
1曲目の「WAVE SONG」は、小山彰太を加えたトリオ演奏ですが、前半は山下とロイディンガーのデュオで、山下の弾くメロディーに合わせて、ロイディンガーが相槌を打つ形でスタートし、後半でドラムスが加わったあたりからは激しい演奏の展開となり、最後は再びデュオに戻って静かに終わっています。
裏面1曲目の「ONE FOR CHARLIE」は、ロイディンガーがチヤーリー・ヘイデンに捧げたもので、3枚のアルバムの中では唯一のベース・ソロで、彼のテクニックを堪能することが出来ます。
続く「SOFT WALTZ」は前作でも収録されており、2小節に跨るロイデンガーのベース・パターンの上を山下のピアノが走るところは前作と変わりませんが、中盤からは3拍子ながら4拍子もどきの展開となることろは、互いに手の内が分かってこなれてきている証拠だと思います。
最終曲の「SOMETHING SPANISH」は、フリー・リズムの中で2人の対話を中心に進行していきますが、ロイディンガーのプレイは、タイトルからも想像されるように、スペインの香りを散りばめているところがあります。

ミュンヘン市街の7ヶ所の地名を曲名した1枚は、掲載した3枚の中では最初の録音で、お互いが手探り状態の部分もあるように聴こえます。
独のプロデューサーでもあるホルスト・ウェーバーのコメントによると、このアルバムは全曲に渡って何の打ち合わせも無く即興で演奏されているとのことであり、メロディックな部分は少なくかなり激しい演奏集となっています。
「A DAY IN MUNICH」 FRASCO FS-7018
  
1. MILBERTSHOFEN
2. HAIDHAUSEN
3. SCHWABING
4. NEUHAUSEN
5. BOGENHAUSEN
6. NYMPHENBURG
7. OLYMPIADOLF
山下洋輔(p) Adelhard Roidenger(b)
録音 1976年6月20日

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