掛井酒店

純米酒(日本酒)の話題を中心に、ドイツビールやワインなどの入荷情報、日々の出来事を発信します。

第13回竹鶴呑切会 その4

2009-10-03 16:15:40 | 出来事
これまで、近日発売の生もとシリーズ19BYを中心にご紹介をして参りましたが、勿論、現在発売中の市販酒や生もとシリーズ20BY、その他にも怪しげな貯蔵酒なども・・・・・。
生もと純米シリーズは、20BYの造りから純米大吟醸・純米吟醸は原料米が地元産八反に変わりました。
というのも、竹鶴酒造・石川杜氏が目指す造りは、「あまり管理しすぎない・米をしっかり溶かし・完全発酵・長期熟成をして行く」という酒造りです。そうした事において、「必ず山田錦がBESTという事でもないもない・・・しかも全国的にも山田錦・雄町の系譜を持ったものが多い酒造好適米にあって、それに属さない広島独自の酒造好適米の「八反」を使用することによって、個性(独自性)地域性を持たせ、本当の意味での地酒として進んで行こうとする」という理念に基いたお考えからと、お伺いしております。
その八反を使用したお酒も、きりりとしたシャープ酒質で、思ったより複雑な味わいが出ていて、味の広がり方も少し違った印象でした。
他の市販酒の中では、下の写真のような変なものを見つけました。「小笹屋竹鶴・純米大吟醸(原酒)袋吊り」11BY(袋吊りではなく、通常の「小笹屋竹鶴 純米大吟醸(原酒)」11BYも有りました。
この21BY商品は、貯蔵期間が来年で丁度10年を向かえるという事で、来春くらいに2アイテム両方とも発売が予定されております。
「袋吊り」は熟香は余り強くなく、味わいは大人しめのアタックから滑らかでとてもスムース・軽快な印象。派手な出味はなく、ややもすると味の厚みに欠けるか・・・と思いきや、いえいえ煮出すと、味わいはむくむくと起き出して、心地好い酸・芯の有る味と柔らかな上品な旨味が広がりを見せます。
「通常純米大吟醸」も同じ様な傾向が見られます。両者ともまだ価格は未定で御座います。
向かって左下に11BY小笹屋竹鶴・純米大吟醸袋吊りのデーター。向かって右下に同じく「袋吊り」20BYのデーターを載せました。面白いので比較してみて下さい。

【11BY小笹屋袋吊り】【20BY小笹屋袋吊り】
原料米:山田錦(兵庫県産)原料米:八反(広島県産)
精米歩合:40%精米歩合:40%
酵母:熊本(KA-1)速醸酵母:無添加 生もと
アルコール分:15.9アルコール度:19.4
日本酒度:+5.0 日本酒度:+7.0
酸度:1.9酸度:2.9
アミノ酸度:1.2アミノ酸度:2.3
粕歩合:50.0%粕歩合:15.3%
約10年で、何てひどい素敵なお酒に進化したのでしょうかまだまだ続く・・・・・。