掛井酒店

純米酒(日本酒)の話題を中心に、ドイツビールやワインなどの入荷情報、日々の出来事を発信します。

蔵見学「中島屋・エ○ス編」

2008-02-06 09:41:30 | 出来事
出麹(でこうじ)作業のお手伝いをした後、麹造りの作業順序としては前後しますが、再度麹室(こうじむろ)に戻り、いよいよ「イタリアの種馬~ロッキーバルボア~」じゃなくて、蒸米に麹菌繁殖させる種付け作業を体験させて頂きました。
先ずは、こしき(蔵見学・中島屋 生もと・醪編で紹介した木製の甑)
で蒸あげた蒸米を外気にさらし放冷した後、麹室に引き込んで布で包まれしばらく寝かせれた状態の蒸米に、麹菌の種を付けて行く作業です。
麹室の作業台に、布で包んでいた蒸米を一杯に広げ薄く、米粒をつぶさない様に延ばして来きます。蒸米はまだ30度以上ありますが、飯米でいうと冷やご飯に成りかけの、少し表面が硬くなって来た状態でしょうか・・。
少し玉に成り掛けている蒸米を、ほぐしながら延ばして行きます。広げ終わると下の写真のようになります。
(お米の感触を観察しているオイラ・・・)

そうして延ばしたものを、更に何度かひっくり返し、空気を入れたりして弱冠温度を下げてやり、この後いよいよ、種麹を付ける作業を行います。
お米の成分ははデンプン質です。ですから酵母にお米を与えてもお酒にはなりません。しかしながらこのように、蒸米に麹菌を繁殖させ米麹を造ることによって、デンプン質は糖に変わります。その糖を酵母が食べ、アルコールを出すという容量です。しかしこの麹造で、お酒の良し悪しが決まるといわれ、とても大事な作業なのです。
種麹付けは、杜氏自らがやり他の蔵人にはやらせないという蔵元も多く、そんな大事な作業を我々がやらせて頂いてよいのだろうか・・と思いつつ・・私もパラパラ・・・・。(下写真:種麹を振る小○教官)
お徳用塩・コショウのような容器に種麹を入れ、延ばした蒸米の上にパラパラ一定のリズムで振って来きます。すると緑色の種が、蒸米の上に煙のようにフワ~と漂います。(写真:教官の顔の辺りから向かって左に薄く漂って見えるのが種麹です。決して魂が抜き取られているのではありません。)その時手首を利かせて振るというふうに、御当主に言われたのですが、中々これもコツのいる作業でした。
その後、麹室の中で米に菌糸がはぜ込んでいる状況を、解りやすく召せて頂きました。その方法とはシャーレの中にはぜ込んだ米麹を何粒か置き、部屋の電気をおとし下から懐中電灯で照らすというものです。そうすると菌糸が血管の様に、鮮やかに浮かび上がりよく解りました。(ちょっと見難いですが下の写真がそうです。)色の変わって黒っぽく見えるのがそうです。こうして忙しい中、色々な体験をさせて頂いた蔵元様には感謝感謝であります。
皆様引き続き「中島屋」宜しくご愛飲下さい。よっ中島屋