AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

3778:S400h

2016年07月17日 | ノンジャンル
 S400hの下にはS300hというSクラスにおけるエントリーモデルがある。S300hは珍しいディーゼルハイブリッド。メルセデスのチャレンジ精神をうかがわせるモデルである。

 どちらかというとS300hの方が興味があったが、試乗車はS40Ohであった。「400」という数字はかつてと違いエンジンの排気量を示すわけではない。

 エンジンは3.5リッターV6である。このエンジンに電気モーターが加わり余裕のある駆動力を発揮する。

 低速域ではしっとりと滑らか、実に静かである。道が少し空いたので、右足に軽く力を加えスピードを上げて60~70km/hほどで走っても、その穏やかな雰囲気はほとんど変わらない。

 きっと高速道路に入り込んで、流れに合わせて走るだけであったら、鷹揚な紳士然とした振る舞いは微塵も変わらないような気がする。

 高速道路での試乗は今回はかなわなかったが、その余力感は果てしない感じがあり、いざとなれば身体がシートバックに押しつけられる程度の強烈な加速もこなせるであろうという気がする。

 改めて乗ってみて、Sクラスがこのセグメントにおいて揺るぎない地位を維持し続けている理由が垣間見れた。

 メルセデスはBMWのような運転する高揚感は比較的薄めである。かわりに、しっとりと染み入るような安心感がある。

 メルセデスは日本では柄が悪い人が乗っていることが多かったため、車の性格を誤解されがちであるが、その性格は実に「癒し系」である。

 実際、本国ドイツでは、アウトバーンの追越車線をがんがんに飛ばしているのはもっぱらBMWやAudiで、メルセデスは走行車線をゆったりと走っていることが多いのである。

 このS400hに乗っていると「駆け抜けなくてもいい歓び」をしみじみと感じる。もちろん「駆け抜ける歓び」も実に気持が良いものではあるが・・・メルセデスが提供してくれる「駆け抜けないくてもいい歓び」もまた独特な心地よさを私に与えてくれる。


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