AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

高回転域

2006年07月16日 | ノンジャンル
 GOLDMUNDの製品は、そのデザインと音の質感が見事に一致している。精緻で冷徹、そしてクールでかっこいい。その機能美とともに高い次元での洗練されたデザイン、そして高性能である点など、ドイツ製の高級車を連想させるものがある。

 そのGOLDMUNDの記念すべき最初の作品である「STUDIO」を昨日Ultralinear邸で聞かせていただいた。もちろん初めて聞くこととなる。このSTUDIOはGOLDMUNDがまだフランスにあった時の製品とのことであるが、スイスに移った現在のGOLDMUND製品に通じる精巧で美的感覚が研ぎ澄まされた感のある存在感のあるいでたちである。

 SACDプレーヤーに多額の投資をしてしまった私であるが、現在はその関心の大半がアナログに移ってしまい、Ultralinearさんのリスニングルームに入るなりまず目が行ってしまうのはやはりSTUDIOであった。「美しい・・・」感嘆して眺め入っていた。その存在感は他のオーディオ機器をはるかに凌駕して玉座に座しているという風であった。カートリッジはClearaudio Victory Hが装着されていた。

 最初にアコースティックギターのLPを聞かせていただいた。音が出た瞬間「これだよこれ。やはりアナログの音は本当に素晴らしい。」思わず頬が緩み、目じりが下がってしまう。CDの音を聞いている時には、音場の出来具合がどうか、音像の定位感がどうか、音色の温度感はどうかなどなど、左脳と右脳と両方を駆使している。そのためか、しばらく聞いていると頭が疲れてくることがある。いわゆる「聞き疲れ」である。しかし、アナログの音を聞いている時は、左脳はその機能を停止し、右脳のみで音楽に浸っている感じがする。そのため、豊かな感情がその音から引き出されやすい状況が出来るようだ。何よりも聞いていて、嬉しく楽しい。

 CDの音は音楽が額縁に入っている感じであるが、アナログではその額縁が取り払われ、音楽が開放された印象を受ける。制限が無いという印象である。特にアコースティックギターの音はその傾向が顕著で、蓋が取り払われたような開放感を味わうことが出来た。クラシックのLPも聞かせていただいた。ラロのスペイン交響曲であった。バイオリンの音を聞いた瞬間、バイオリンのボディが木でできていて、その木が共鳴して美しい響きとなることが良く分かる音である。その音からは木の香りが感じられる。

 Ultralinearさんは「STUDIOは本調子ではない」とおっしゃられていたが、それでも余裕で素晴らしい音を奏でてくれていた。何枚かのLPを聞いた後、最後に持参のCDから何曲か聞かせていただいた。LPのあとでは分が悪いと思われたが、最初に聞いたCDよりも音がよくなっている印象を受ける。アナログをかけたことにより、他の機器が活性化されたのであろうか?高回転域を積極的に使った後では低回転域のレスポンスも良くなるエンジンのような現象が起きたのかもしれない。
 
素晴らしいデザインと音、圧倒的な存在感


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