おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

まさかこんなことになるとは

2022-01-22 11:04:17 | 日記

 朝食を摂りながらテレビを見ていたら、情報バラエティー番組で代替肉のことを話題にしていた。地球上に人間が増えすぎ、食料が足りなくなって来た上に、畜産によって肉を得るという方法が、地球に優しくないという説明をしていた。穀類をそのまま食べるのに比べ、それを家畜に食べさせて肉を得るとなると、そのまま食べるのに比べ数十倍も穀類を必要とする。おまけに、家畜から出るメタンガスが、地球温暖化にも寄与してしまっているから、今以上に畜産を盛んにするわけにも行かない。そこで、大豆を加工して、肉そっくりのものを作ろうというわけである。

 番組で紹介された人は、「地球を終わらせないために」をメッセージに掲げ、温暖化防止と人類の食糧難を解決するため、少しでも関われたらと言う。番組では、素晴らしい取り組みですねとキャスターが持ち上げていたが、ことはそう簡単じゃないんじゃないかと、僕は眉に唾をつけて聞いていた。

 食糧難の問題も、地球温暖化も、喫緊の大問題である。それはなんとか解決しなければならない。が、そもそもどちらの問題も、人類が繁栄するために自らが行って来た行為の結果である。別の言い方をすれば、地球の歴史に逆らう形で、環境を人間の進化に合わせようとした結果である。

 例えば、プラスチックが発明された時、加工が簡単で大量生産ができ、腐らないということから「夢の素材」と呼ばれた。それにより社会は便利さと効率性が尊ばれ、使い捨てという楽ができる世界になった。ところが、腐らないということと、使い捨てができるということが、後の時代にどれほどの負荷を与えただろう。

 原子力発電にしても、石炭や石油に代わるクリーンエネルギーとして期待されて来た。が、クリーンどころか、その扱いのために、必要以上の面倒を抱えることになってしまっているのである。

 戦争にしたって、自分の国を滅ぼそうと思って始める指導者はいない。日本だってドイツだって、国民を窮地から救うために始めたことである。しかしながら、いつだって正反対の結果しか生んで来なかった。

 将来に希望を持つために人類は次から次にテクノロジーの力を借りて現状を打破して来たつもりでいる。が、人間の知恵くらいでは新たな問題を生み出すのが関の山である 「代替肉」は、人類の目の前の危機を回避させるかもしれない。とはいうものの、原材料を粉砕し、化学添加物を加えて成形し、完成させた自然界には存在しなかった食品を、これから人類が大量に摂取することを思うと、そう簡単には夢を託すというわけには行かないのである。そうして市場に出回るようになる加工食品がどうやって作られるか、おそらく企業秘密として公になることはないだろうから。

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