おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

ずっと見ていられる

2016-06-02 11:39:52 | 福島

 朝から風が強い。ざわざわと木々の梢が揺れ、草花が風が通るたびに左右になびく。青い空には、いくつもの厚い雲の塊が風に乗り、めいめいの速度で飛んでいく。

 昔から雲を見ているのが大好きで、空を見上げていると飽きないでいつまでも雲の様子を見ていられる。青い雲、灰色の雲、オレンジ色の雲、黄色い雲、紫色の雲、空一面が同系色のこともあれば、青とオレンジ、赤と紫とコントラストの強い補色の組み合わせの時もある。モコモコとした羊のような雲もあれば、大きな惑星のような塊の雲もある。風にちぎれたくさんの子供を作る雲もあれば、薄く引き延ばされレースのようになった雲もある。

 視線を落とすと、大きくねじれ左右に揺れる雑木林の木々たちの動きは、まるで意思を持った生き物のようだ。田んぼの畦の雑草が風が吹くたびに一斉に揺れ、牧草地では風によって緑色の波が打ち寄せる。

 そんなことを考えていると、あるリズムを持った動きが、生命の鼓動のようなものとシンクロしているのかなと思う。大分に住んでいた時は、海から5キロほどのところだったので、時々海辺を散歩したが、打ち寄せる波の音に合わせて歩いていると、どこまでも歩いていけそうな気がしたものだ。

 ということなら、人工物でもイルミネーションとか信号機にも人はリズムを感じることができるということだろうか。確かに、クリスマスのイルミネーションを見た瞬間などは思わず感嘆する言葉が出てくるが、やがて飽きてしまうのは、そこに予測可能な規則的な動きを見てしまうからだろう。

 風が吹くと、木々の葉っぱが白い葉っぱの裏側まで見せてざわめく。その上を、白い雲が素晴らしい速度で通り過ぎていく。なんだかいつまでも見ていられる。

コメント
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