パソコンで絵を描くのと並行して、スケッチブックに鉛筆で絵を描いている。パソコンで描く場合、抽象化ということを考えないと写真を加工しただけと思われてしまう。その代わり、鉛筆で描く場合には、どこまで細部にこだわって描いても手書きであることを疑う人はいないので、なるべくリアルに描くことを目指している。抽象と具象、結局はこの二つがあってすべての芸術作品はできあがっている。どちらが欠けてもダメなのは、作品を作るという芸術活動が、人生や生活の上にしか成り立たないからである。
ということさえ押さえておけば、子供の絵のようなピカソの絵が芸術で、子供の無邪気な絵が芸術でない理由もわかるだろう。
犬をモデルに描くのは難しい。単純にじっとしておいてくれないからで、クロッキーで手早く描くならそれでもいいが、よりリアルに描こうとすると、仕方がないから写真を見て描くしかなくなる。
我が家にはドリとトトとモデル犬は2匹いるが、トトは真っ黒けだし、毛が柴犬みたいに短いので、単純な絵になりやすい。その点、毛が長く茶色のドリは変化があって被写体としては面白い。