おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

作風

2015-09-04 12:38:38 | 福島

 連日ニュースで東京五輪のエンブレムの盗作問題が話題になっている。作者の過去の作品まで、せっせとネットで検索してネタ元となった画像を探す情熱はもの凄いが、どうせならもう少しほかのことに使ってもいいのではとも思う。とりあえず白紙になったのだから。

 デザインというものを僕らは本当のところはよくわかってはいない。もしデザイナーが、デザイン作品とは巷にあふれるさまざまなものから、その要素を抽出して新たな価値を付加するものだと考えているとしたら、まったく同じ作品でない限り、この世のほとんどのデザイン作品とは盗作とは呼べないだろう。丸パクリしてこそ盗作なのだ。が、僕らの感覚からすると、少しでも似ていたらアウトだと考えてる。

 しかしながら、よくよく考えてみればこれだって結構あやふやだ。例えば絵画の世界だって、絵を前にしたとき、完全なオリジナルと感じるより、先人の画家の画風をそこに見ていることの方が多いから。絵画の世界ではそれを影響というのだろうか。それとも誰それ先生に師事したと言えば、盗作とは言えなくなるのだろうか。

 漫画の世界だって、誰それ風の絵は多い。明らかにものまねだと思うものもあるが、ストーリーが違えば画風は問わないのだろうか。漫画家のアシスタントを経て世に出た漫画家なんかは、アシスタントをしていた先生の画風とあまりにそっくりなので違いがわからないほどだ。それでも盗作と騒ぐ人はあまりいない。

 今回の騒動を見ていると、ロゴなんて誰にでも思いつくようなもので、画家や漫画家のような特別な訓練は必要としていないという偏見があるのだろう。そんな誰にでも思いつくような作品で、普通の人には目の玉の飛び出るほどの高額な謝礼が払われるなんてのが、凡人には許せない。おまけに今回のように税金が使われるとなると、嫉妬に狂ってしまうのだ。せめて、ロゴのデザインくらいこの世で見たことがないような斬新なものにしてくれというのが、世の多くの人の意見だろう。

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