フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

年取ると自分語りをしたくなるのよ

2023年10月27日 22時10分41秒 | つぶやき
昨今あまり巡れてはいないものの、ぬたりは城跡が好きで、訪れた城跡、砦跡、館跡は余裕で3桁の数にのぼる。
概ねこういう「跡」は好きで、廃道や廃線、廃墟なんかも見たりすることはあるのだが、訪問数で行けばダントツで城跡が多い。一時期は休みのたびに出かけては1日複数巡っていた。
残念ながらサイト運営のセンスや絵心、さらには重いカメラを抱えていく根性もなかったもんで、現地で詳細な記録することも、それをネットにアップすることもできなかったわけだし、そういう根性は今もない。だからこれから情報をアップする予定もないのであるが、群馬県内の城跡好きとすれば、訪問数だけを見れば有数の人間と言えるかもしれない。まあ、行ってるってだけで、城の歴史とかの研究に関しては浅いにも程があるが。

で、他の廃モノも好きなのになんで城跡は頭一つ抜けて好きだったんだろう、とふと思った。

こういう疑問はやたら夢中で巡って楽しんでいるときには思い浮かばないもんなのよね。趣味も落ち着いてくるとこういう疑問がふと浮かぶ。
んで、一番の理由は城が現役だった時代と今の時代の隔絶にあるんじゃないかと思った。
ぬたりが巡る城や砦の多くは戦国時代までのものな訳だがその時と比べて人の生活が大きく違っている。
群馬県の話で恐縮だが、戦国時代に最も権威を持っていたのは関東管領の上杉氏であり、基本的な居城は平井城。有力な家臣としては箕輪城の長野氏、国峰城の小幡氏、白井城の長尾氏、と言ったあたりだが、上記4城に関しては現在お世辞にも都市部にあるとは言えない。現在群馬県では人口最多の街である高崎は小さな宿場であり、まだ高崎の名前もなかった(※)。
その後江戸幕府により「藩」という形で都市が形成され、基本的にはそれが今日の経済圏の礎になってはいるものの、それすらもそのままというわけではなく、例えば七日市藩は明治期に、世界遺産となった富岡製糸場ができたために、市の中心地が東にずれたし、絹織物で発展した桐生市(藩はなかった)のような例もある。
こんな形で当時と今では相当に人の生活圏が変わっているわけで、当時の様子というのはそれこそ歴史書か物語の中にしかない。その存在が今に残るのが城跡というわけだ。現実にそこに跡があるのに、その城の現役時代は遠すぎる世界の話になる。この感覚を無意識に念頭に置きながら、ぬたりは城跡を回っていたのだと思う。興味ない目で見れば山の中の単なる窪みや平らな場所にしか見えないが、それは遠い世界と今をつなぐ細い糸な訳で、そう思えばそんなもんでも愛おしい訳よ。
こういう「遠い世界」と言う感覚は他の廃モノでもないわけじゃないが、廃道や廃線、廃墟というのは今の我々と比較的地続きな感覚で、微妙に違うとも言える。現役時代を想像しやすくはあり、もちろんそれ自体は楽しいしぬたりも好きだが、フィクションの世界から抜け出したような感覚というのはあまりなく、これは城跡の方がはるかに強い。だって群馬県の城の滞在者を見れば、上杉謙信や武田信玄、真田昌幸なんて名前がゴロゴロ出てくるんですぜ。彼らと同じ地が実際踏める訳ですからね。
ただ、城跡を巡る、という行為が多少アカデミックに見えちゃうのはちょっと勘弁して欲しいとは思う。こっちとするとスタンプラリーみたいな気楽な感覚なので、背景の研究とかをあんまりしてない。そら必要に応じれば資料とかは当たるけど、こちとら歴史に一家言あるとか詳しいとか、そんな感覚は一つもないんですよねえ。ただ城跡に行ってるだけなのですわ。その点、有名なマニアの方とかはほんと歴史にも関係法令にも詳しくて頭が下がる思いですよ。いつも勉強させてもらってます。


当時は「和田」と言う地名(ちなみに今も高崎市和田町はある)。徳川家康の関東入封時に箕輪城に配された井伊直政は、交通至便の地として和田に目をつけ、この地に本拠地を移転。この際、川の岬状のところに立派な松があるのを見て、「松崎」という名前を思いつき、地元の住職に相談したところ「松は枯れることがある。けれども高さには限りがないから「高」崎はいかがでしょうか?」と提案され、高崎に命名されたと言われています(諸説あり)。関連あるかどうかは知らんが高松町なんて地名も高崎の中心部にあるな。高崎市中心部というと、やたらめったら町名が細かくて極端なところだとホント1区画ごとに町名があったりするんだが、地名を大切にする文化とかあるのかしら?
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