フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

名所はある意味あるものではなく「つくるもの」

2024年06月30日 11時55分21秒 | 日記
ずいぶん前の話になるが「水曜どうでしょう」の副音声にてディレクターの嬉野雅路氏が「寺だって経営をしている」と言う趣旨の発言をしていた。実家のお寺が縁日等をやるのはなぜかと思っていたら、これはその時にお札を売ったり名前を売ったりする経営の一環なんだなと思った、と語られていた。
僧侶といえども仙人じゃないんだから霞を食べて生きていけるはずもなく、現代日本では当然収入を得なければいけない。だが21世紀の昨今、檀家料だけで生きていこうとするのは相当に大変なんて話も聞く。副業を行っているお寺さんも数多い。この辺の話をすると「宗教法人は税金がかからない坊主丸儲け」みたいなことを言い出す人もいるけど、全部の税金が免除されるわけじゃないからな。
そんなお寺の経営であるが、群馬県の片隅に、こと知名度に関してはここ数年で一気に関東有数に上り詰めたお寺がある。名前を宝徳寺という。

この床もみじが「映える」と昨今大人気。特に文字のとおり紅葉の時期となると拝観者の数は恐ろしいことになる。
はっきり言うが、10年以上前にここを知っている人はほとんどいなかった。人知れず床もみじがあったのではない。以前はこんなにきれいに映る床ではなかったんである。
施工した業者のサイトもあるんだが、この床は長年磨かれ続けてこうなったわけではなく、端的に言えばものすごく厚いウレタン塗装。施工は2018年とほんの数年前の出来事である。
だから歴史もへったくれもないんだが、これがまあ昨今のSNS映えの流行にも乗ったのか人気が大爆発。群馬の片田舎ながらいまや一般公開時には、はとバスツアーにも組み込まれる大人気観光スポットである。
寺社仏閣の観光と言えば、どちらかというと歴史や伝統を重んじる風潮があるけど、ここに関してはそういうものではない。さらにはきれいに撮影するためには低いアングルの撮影が求められるが、スマホでこれをするとなるとご本尊にお尻を向けて、何なら腹ばいになる形になるので、そんなに気分の良いものでもない。
とは言え、観光スポットとしてとても魅力的であることは疑いようのない事実。いかに床がきれいに映るとは申せ、見える景色が大したことなければ台無しだがここに関してはそんなことはない。散策できる境内の庭園もかなりきれいに整備されているし、売っているお守りや御朱印もどこか親しみやすいものばかり。行って損はないのは間違いない。
話は最初に戻るが、「経営」と言う面において宝徳寺は本当にセンスが良くて、実際多くの人を引きつけている。多分リピーターもそれなりにいると思う。では床をピカピカにすれば、ファンシーなお守りを売れば人は来るのかと言えばそんなことはなく、住職は以前から拝観者のために庭造りを長年行っていたようで、評判になったのこそ最近とは申せ一朝一日にできあがったものではなく、長い苦労とセンス磨きの積み重ねがあってのこと。「来た人に気持ちよく散策して欲しいな」「少し高台にあるから借景がきれいだな」「床に風景がもっときれいに映ったら良いな」と言った感想を、素直に積み上げていったんだと思う。こういうのはセンスのない俗物ぬたりは100万回生まれ変わっても真似できない領域。

と言うわけで観光地としては群馬県内でも有数のオススメスポットになりますので皆様も一般公開時に一度は是非。なお、床もみじを撮影する際はどうしてもご本尊にお尻を向ける形になりますので、ちゃんと最初にご本尊を拝んで許しをもらってから撮影してくださいね。仏罰はあとが怖いぞ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ともかく仕事にちょっと余裕がないのよ

2024年06月18日 20時31分28秒 | 日記
NASAでかつて打ち上げられていたスペースシャトルはフライトごとに「STS-○○」というナンバーが振られていた。例えばスペースシャトル最後のフライトは「STS-135」であり、シャトルの135回目のフライトとして「計画」(打ち上げ順の番号付与ではない)されたものであることを示している。
そんなフライトの中で、STS-27というフライトが1988年に行われている。フライトミッションが軍事目的であり、我々一般人に馴染みの出来事があるわけではないのだが、このフライトは成功に終わったスペースシャトルのフライトの中で、最もシャトルの損傷が激しかったフライトとして記録に残っている。
この激しい損傷がなぜ起きたかと言えば、外部燃料タンクの表面、部位的には「パイポットランプ(タンクとシャトルの接続部)」と言われる箇所に貼り付けられた断熱材が発射時の空力で剥離し、それが機体にぶつかり傷をつけたもの。
先にも言ったとおり、このフライトは成功しクルーは無事に帰ってきている。しかしクルーは激しい感情のジェットコースターに乗せられることになった。打ち上げ後、衛星軌道上で損傷を知らされ、シャトルのアームに取り付けられたカメラで損傷を確認したところ、相当に激しい損傷が確認された。まだチャレンジャー号の事故から2年経っていない時期であり、クルーの絶望は想像に難くない。早速地上に画像を送ったところ、回答は「飛行に問題は無い」だった。相当に激しい損傷で完全に剥離したタイルらしき部位も見えるのに、だ。これにより今度は困惑と苛立ちのコースターに乗せられることになった。そして彼らは無事に地上に帰ってきたわけだが、この際の歓喜は相当なものだったろう。自分たちが絶望した状況でも地上スタッフは事態を冷静に判断していたのだ、という事であり、クルーの一人は後に「スタッフにキスして回りたいと思った」と述べている。
だが、歓喜は後にまた暗転する。後に彼らには「送られてきた画像は荒く、損傷部が光と影に見えた」と言うことが告げられる。地上スタッフは損傷の深刻さを認識していなかったと告げられたわけだ。ミッションが軍事目的であったためシャトルに積まれた無線機は画像を送るように想定されたものは積んでいなかったためである。実際は損傷した部位がたまたま大丈夫な位置だったと言うだけで、少しでもズレていれば大惨事だった、と言うのが結論。尤も後にフライトクルーの一人も自伝で振り返っていたが、NASAが重大さを認識していたとしても出来ることは何もなかった。救出用のロケットを打ち上げるにしても時間がかかりすぎ、その前にシャトルの空気が尽きる。当時は国際宇宙ステーションも建設前でどこにも逃げ場はなかった。生き残る唯一の手段は、運を天に任せて着陸を行うことだけだったのだ。
さてこの事態だが、実は剥離した「パイポットランプの断熱材」はこの飛行時から仕様変更が行われていた。空力を考え、より性能を良くしようとしたための変更らしい。
工学の優先事項に「より良い、は、使い物になる、の敵」と言うのがあるそうだ。STS-27のクルーの叫びはまさにこれだったそうだ。もっと砕けた言葉で言うなら「ちゃんと動いてるならいじるな!」である。
ちなみにこのパイポットランプのフォーム剥離。STS-27のフライトの15年後に起きた、かのコロンビア号空中分解事故の直接の引き金になった。損傷部分が機体腹部のフォームと翼の前縁部というズレこそあるが、現象とすれば同じことである。これでNASAはどう対応したか。
「フォームはいつも剥離してるし、飛行に影響が出るほど機体を傷つけることなんてないよ(意訳)」と抗弁したのである。今まで大丈夫だったんだから、というわけだ。
この後は多くは報道でも扱われたが、実際にフォームを翼の構造材にぶつける実験が行われ、結果、構造材には大穴があき、「てめえら舐めくさるのも大概にせえよ」とかえって追及が厳しさを増すという事態にもなったわけだが。

とまあ、今日のネタで何が言いたいかと言えば、ぬたりの会社で今年から大規模システム変更を推進、決断した社員は全員○を切って○ぬべきである、ということである。
今までのシステムに大きな不満が出てたわけでもないのに、なぜまるごとシステムを変える必要があるのかね。現場の大混乱の責任誰が取るんだコラ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

確かに欧州車の中古車はみんなこうなってます

2024年06月09日 10時05分25秒 | 日記
さてさて、おかあちゃんの車購入で散々腐したフォルクスワーゲンではあるが、とりもなおさずぬたりの愛車もフォルクスワーゲンティグアンである。
で、こいつがあるからこそ筆も厳しくなってもいるとも言えて、乗ってての不満点は複数あるのに改善される気配もないので「なんで新しくなったのに駄目なまんまなんだ?」と怒りを通り越して呆れる始末でな。フォルクスワーゲンの人間は自社の車に乗ってねえのか?。
ではぬたりは今の車を気に入っていないかと言えば、「道具としては」今のところ有用にも程があるという評価で今後もしばらく乗り続ける。今のところこれと言った乗換え候補も思い浮かばないしな。まあ新車で買うと高いので(500万はします)程度の良い中古車が無いと乗換えもままならないという弱点はあるが。貧乏はつらいのう。
で、そんなティグアンに一つ気になる部分がでてきた。メッキモールである。
別にぬたりの車に限った話ではなく、ほとんどのフォルクスワーゲン車のメッキがこうなってしまうのだが、窓のエッジの辺りのメッキモールが水玉が浮くように白く汚れているのである。そもそも高級感が得られる(例えばポロやゴルフにはメッキモールはない)のでフォルクスワーゲンでも値段が高めの車についているのだが、ものの数年でここがくすんで見窄らしくなる。遠くから見る分にはまだ良いんだけど、こちとら毎日のように乗り込んで使うわけだから白く薄汚れたメッキをそのたび見ることになる。なんとかならんかこれ?
でも得てしてこういうのはメーカーを頼っているうちは幸せになれない。どーせ「仕様です」「本国の対応待ちです」で逃げるに決まっている。ここは日本だ。日本人には日本人の武器がある。

ピカール先生のご登場である。
金属部分の研磨ならとにかくなんでもお任せ。家の中から家の外まで、金属部分をピカピカにしたいなら先生に勝るものはない。しかも安い。これで数百円である。早速近くのホムセンで買ってきて磨く。
挫折しかける。
やる前から覚悟はしていたが、とにかく手作業で研磨するのは大変。手も腕もパンパンになる。助手席側の窓のモールを一通りやってとりあえず一段落つける。しかも微妙に取り切れねえし。これは汚れじゃないのか?
で、今回に関しては調べる前にやり始めたのがアダになった。ここに来てようやく調べたところ、この白いのは簡単に言えば白錆。研磨剤ではなくて、そもそもヤスリで削るもんなんだそうだ。さらには錆びたんだから削ったあとはコーティングしないとまたすぐに錆びるんだそうな。マジかよそれ.
んでまあしょうがなくカー用品店にて二千円くらいする専用のキットを購入。まずはヤスリで削ると言うことで、キット付属のヤスリでゴシゴシゴシ・・・。
ヤスリがあっという間に力尽きる。
付属のヤスリはちっちゃいにも程があり、すぐに目が潰れだしたため、結局は大まかにヤスリがけする→根性でピカールで磨く、の作業を行うことに。あーつかれた。ともあれ、かなりきれいになったわ。んでコーティング剤を塗って完了。まあ不器用ぬたりがやるコーティングなど近くで見れば粗がありすぎるんだが、それでもずいぶん良くなった。

ちなみに欧州車のメッキパーツは多くの車はものの数年で大体こんな感じになっちゃうらしい。なんでこんな錆びるのかと言えば、ネットでは「日本の高温多湿にコーティングが合っていないから」と、一応もっともらしく説明はされてますがんなもんどーせ本国でも錆が出まくってるに決まってるわ。
輸入車の駄目な部分があると、昭和の頭では「車としては先進国な欧米車に駄目なところがあるわけない。きっと日本が悪いんだ」と考えがちだけれども、いやいや、あいつら昔から駄目な車を割と量産してるからね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

買ったんだから悪口ちっくでもいいよね

2024年06月05日 14時51分17秒 | 日記
おかあちゃんが車を買換えました。ゴルフ7からゴルフ8に。
以前に書いたが、輸入車大手の一つ、フォルクスワーゲンであっても今新車は買いにくく、値上げと法規対応で輸入体制も販売体制も混乱気味。ぬたり達は3月に日本に到着する船便のうち、欲しいグレードの最後の1台を押さえられたわけだが、これを逃すと同グレードは半年後の輸入で、しかもそれを買おうとすると大幅値上げ後という状況だった。
んでまあ、21世紀の世の中、もはや国産車と輸入車の性能差なんてない。もちろん違いはある。けれどもそれは優劣をつけられるものではないと思う。そもそも輸入車が優れてて国産車が劣っていた、なんてのは輸入代理店から接待を受けたジャーナリストやマスコミのステマの影響が大きい。確かに日本は自動車に関しては後進だからかつては劣っていた部分もあった。けれどもその頃だって海外でちゃんと評価されていた日本車は多かったし、言われるほどの差なんかなかった。そんてことはそれこそ21世紀では周知の事実になったし、そんなことをやっていたから若い人たちは今や自動車雑誌やモータージャーナリストに見向きもしないんだよ。その状況を「若い人の車離れ」などと恥ずかしげもなく彼らは書くけど、自動車は今も若い世代にちゃんと売れている。あんたらが見向きもされなくなったのを車離れと勘違いしてんじゃないよ。

閑話休題

さて、ぬたりはゴルフ8を他人に勧めるかどうかと言われれば、「お好きならどうぞ」としか言わない。上でも述べたがゴルフならではという「違い」は確かにある。けれども例えば国産車の同クラスのハッチバックから乗換えたら別次元の体験が出来るかと言えば、そんなことはない。
というのもゴルフ8、使い始めてすぐに分かる弱点が複数ある。まずはフォルクスワーゲン共通の問題として純正ナビが有料オプションのくせに性能がゴミ。まあ今はスマホ連携使えば良いので、むしろレスオプションの方がいいって人も多いだろうが、そのレスオプション仕様の輸入の絶対数が少なく、メーカー在庫がほとんど無く事実上選べない。だから高いお金を出してゴミのようなナビを買わされるわけだ。ナビに関しては長年こうだから多分今後も改善の目はない。それどころか機能が増えた分悪化してる節すらあるけども。
あとは悪い意味でたまげたところはエアコンの操作部というかなり重要なインターフェイスがダメダメ。物理ボタンではなくタッチパネル式なのだが、ナビ画面の直下に位置するために画面を操作しようとして不意に手が触れてしまう現象が多発。ナビをいじろうとしていきなりエアコンから爆風が出る、という経験はゴルフ8ユーザーはかなり早い時点で経験する。
しかしエアコン操作部の最大の問題点はそこではない。驚かずに聞いてほしいがこのタッチセンサー、バックライトが搭載されていない。夜になると操作はほぼ不可能になるのだ。
この仕様をどこのバカが良いと判断したのか知らないが、不意に触っちゃうわ夜は操作できないわととにかくお話にならない。一応コンソールにエアコンボタンがあり(こっちは光る)、画面にエアコン操作機能を表示させることはできる。こっちでやれとでも言いたいんだろうが。ただでさえ運転中の繊細なタッチパネル操作は難しいってのに画面を注視しろとでも言いたいのかね。夏は高温多湿で冬は寒い日本の気候ではエアコンは重要な装備であり、これが使いにくいとなればさすがに日本では多くの人には勧められない。
他にも、フォルクスワーゲンはドイツでは大衆車なわけで、コストを無視した質感は追えない。だから細かい部分で涙ぐましいコストダウンは図られてて、目立たないところ(下の方とか)は結構ペナペナなプラスチックを使っているし、標準のタイヤはなんと韓国のネクセン。欧州車っつったらミシュランかコンチネンタルじゃねえんかよ。
ここまで言えばわかるとおり、正直日本車に対する優位性というものは今やもうない。昭和や平成初期ならいざ知らず、今ではゴルフの直接ライバルとなる車(いわゆるCセグメントハッチバック)は国産車にも多くある。カローラスポーツ、シビック、マツダ3、インプレッサですね。こう並べるとホントに独自の強みをちゃんと持ってる車が並ぶ。個人の好みやニーズを考えて好きなの買えば後悔はしないと思うな。
勘違いをしないで欲しいが、ぬたりはゴルフ8を(おかあちゃんが)買ったことに後悔は一切無い。確かに弱点は多いが、走りの安定性、室内の使い勝手、手が触れる部分の質感、装備等、何をとってもちゃんと満足できるパッケージングは利点だと思う。素直に良い車だと思ってはいるんですよ。それなりに弱点があるから他人に無責任に勧めようと思わないだけでな。しかしレビュー記事とか読むと絶賛しか見かけないんだが、ホントにおまえらちゃんと見てるか? って突っ込みは入れたいところではありますがね。
みんなも自分の好みとニーズをちゃんと把握して、楽しい愛車選びをしてくださいね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする