ずいぶん前の話になるが「水曜どうでしょう」の副音声にてディレクターの嬉野雅路氏が「寺だって経営をしている」と言う趣旨の発言をしていた。実家のお寺が縁日等をやるのはなぜかと思っていたら、これはその時にお札を売ったり名前を売ったりする経営の一環なんだなと思った、と語られていた。
僧侶といえども仙人じゃないんだから霞を食べて生きていけるはずもなく、現代日本では当然収入を得なければいけない。だが21世紀の昨今、檀家料だけで生きていこうとするのは相当に大変なんて話も聞く。副業を行っているお寺さんも数多い。この辺の話をすると「宗教法人は税金がかからない坊主丸儲け」みたいなことを言い出す人もいるけど、全部の税金が免除されるわけじゃないからな。
そんなお寺の経営であるが、群馬県の片隅に、こと知名度に関してはここ数年で一気に関東有数に上り詰めたお寺がある。名前を宝徳寺という。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/8d/08f8c69044d02b6311e141d84afe8728.jpg)
この床もみじが「映える」と昨今大人気。特に文字のとおり紅葉の時期となると拝観者の数は恐ろしいことになる。
はっきり言うが、10年以上前にここを知っている人はほとんどいなかった。人知れず床もみじがあったのではない。以前はこんなにきれいに映る床ではなかったんである。
施工した業者のサイトもあるんだが、この床は長年磨かれ続けてこうなったわけではなく、端的に言えばものすごく厚いウレタン塗装。施工は2018年とほんの数年前の出来事である。
だから歴史もへったくれもないんだが、これがまあ昨今のSNS映えの流行にも乗ったのか人気が大爆発。群馬の片田舎ながらいまや一般公開時には、はとバスツアーにも組み込まれる大人気観光スポットである。
寺社仏閣の観光と言えば、どちらかというと歴史や伝統を重んじる風潮があるけど、ここに関してはそういうものではない。さらにはきれいに撮影するためには低いアングルの撮影が求められるが、スマホでこれをするとなるとご本尊にお尻を向けて、何なら腹ばいになる形になるので、そんなに気分の良いものでもない。
とは言え、観光スポットとしてとても魅力的であることは疑いようのない事実。いかに床がきれいに映るとは申せ、見える景色が大したことなければ台無しだがここに関してはそんなことはない。散策できる境内の庭園もかなりきれいに整備されているし、売っているお守りや御朱印もどこか親しみやすいものばかり。行って損はないのは間違いない。
話は最初に戻るが、「経営」と言う面において宝徳寺は本当にセンスが良くて、実際多くの人を引きつけている。多分リピーターもそれなりにいると思う。では床をピカピカにすれば、ファンシーなお守りを売れば人は来るのかと言えばそんなことはなく、住職は以前から拝観者のために庭造りを長年行っていたようで、評判になったのこそ最近とは申せ一朝一日にできあがったものではなく、長い苦労とセンス磨きの積み重ねがあってのこと。「来た人に気持ちよく散策して欲しいな」「少し高台にあるから借景がきれいだな」「床に風景がもっときれいに映ったら良いな」と言った感想を、素直に積み上げていったんだと思う。こういうのはセンスのない俗物ぬたりは100万回生まれ変わっても真似できない領域。
と言うわけで観光地としては群馬県内でも有数のオススメスポットになりますので皆様も一般公開時に一度は是非。なお、床もみじを撮影する際はどうしてもご本尊にお尻を向ける形になりますので、ちゃんと最初にご本尊を拝んで許しをもらってから撮影してくださいね。仏罰はあとが怖いぞ。
僧侶といえども仙人じゃないんだから霞を食べて生きていけるはずもなく、現代日本では当然収入を得なければいけない。だが21世紀の昨今、檀家料だけで生きていこうとするのは相当に大変なんて話も聞く。副業を行っているお寺さんも数多い。この辺の話をすると「宗教法人は税金がかからない坊主丸儲け」みたいなことを言い出す人もいるけど、全部の税金が免除されるわけじゃないからな。
そんなお寺の経営であるが、群馬県の片隅に、こと知名度に関してはここ数年で一気に関東有数に上り詰めたお寺がある。名前を宝徳寺という。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/8d/08f8c69044d02b6311e141d84afe8728.jpg)
この床もみじが「映える」と昨今大人気。特に文字のとおり紅葉の時期となると拝観者の数は恐ろしいことになる。
はっきり言うが、10年以上前にここを知っている人はほとんどいなかった。人知れず床もみじがあったのではない。以前はこんなにきれいに映る床ではなかったんである。
施工した業者のサイトもあるんだが、この床は長年磨かれ続けてこうなったわけではなく、端的に言えばものすごく厚いウレタン塗装。施工は2018年とほんの数年前の出来事である。
だから歴史もへったくれもないんだが、これがまあ昨今のSNS映えの流行にも乗ったのか人気が大爆発。群馬の片田舎ながらいまや一般公開時には、はとバスツアーにも組み込まれる大人気観光スポットである。
寺社仏閣の観光と言えば、どちらかというと歴史や伝統を重んじる風潮があるけど、ここに関してはそういうものではない。さらにはきれいに撮影するためには低いアングルの撮影が求められるが、スマホでこれをするとなるとご本尊にお尻を向けて、何なら腹ばいになる形になるので、そんなに気分の良いものでもない。
とは言え、観光スポットとしてとても魅力的であることは疑いようのない事実。いかに床がきれいに映るとは申せ、見える景色が大したことなければ台無しだがここに関してはそんなことはない。散策できる境内の庭園もかなりきれいに整備されているし、売っているお守りや御朱印もどこか親しみやすいものばかり。行って損はないのは間違いない。
話は最初に戻るが、「経営」と言う面において宝徳寺は本当にセンスが良くて、実際多くの人を引きつけている。多分リピーターもそれなりにいると思う。では床をピカピカにすれば、ファンシーなお守りを売れば人は来るのかと言えばそんなことはなく、住職は以前から拝観者のために庭造りを長年行っていたようで、評判になったのこそ最近とは申せ一朝一日にできあがったものではなく、長い苦労とセンス磨きの積み重ねがあってのこと。「来た人に気持ちよく散策して欲しいな」「少し高台にあるから借景がきれいだな」「床に風景がもっときれいに映ったら良いな」と言った感想を、素直に積み上げていったんだと思う。こういうのはセンスのない俗物ぬたりは100万回生まれ変わっても真似できない領域。
と言うわけで観光地としては群馬県内でも有数のオススメスポットになりますので皆様も一般公開時に一度は是非。なお、床もみじを撮影する際はどうしてもご本尊にお尻を向ける形になりますので、ちゃんと最初にご本尊を拝んで許しをもらってから撮影してくださいね。仏罰はあとが怖いぞ。