冷戦終結以降の世界で30年以上続いたワシントン・コンセンサス、新自由主義経済世界(体制)を、アメリカが換えるのだそうだ。既に2019年8月に米主要企業経営者らの最大団体・ビジネスラウンドテーブルが、新自由主義経済最大の柱「株主利益最大化方針」を反省してその転換が必要だと内外に表明したものだが、その新たな形がこの度やっと現れて来たようだ。現代ビジネスが、米のサリバン大統領補佐官による4月20日のある講演内容を紹介しているが、その最も短い要約はまず、次のようなものだとのこと。なお、2019年の米経済界の大きな反省なるものは、当ブログ2019年8月21日に紹介してある。
『自由貿易や規制緩和による市場重視の経済政策から、補助金を使った産業政策への大転換を宣言した。これは「新しいワシントン・コンセンサス」と呼ばれている』
さて、この新しいワシントン・コンセンサスとは一体何か。旧来のワシントン・コンセンサスの諸要素、「貿易自由化」「海外直接投資」「(各国)政府事業の民営化」「規制緩和」「各国家の財政規律の維持」などなどは以降どうなっていくのか。これら「ワシントン・コンセンサス」諸要素がこれまでの世界をどれだけ規定してきたかを思えば、アメリカのこの大転換は日本の明日を規定する最重要事項にもなっていく。
サリバン大統領補佐官が唱えた「新しいワシントン・コンセンサス」の中身は、バイデン大統領が直面している4つの挑戦に応えるものなのだそうだ。①米国産業基盤の空洞化、②地政学的安全保障競争、③気候変動危機下のエネルギー改革、④不平等とそれによる民主主義への打撃。
①と②は、中国の挑戦によってもたらされたものと従来から吹聴されてきた。③と④とは、アメリカ自らが先頭に立って、日本や西欧、さらには搾取されたグローバルサウスを含めた世界に招いてしまったものである。
これらを具体的に進める方向として上がっているのが、半導体製造をG7などに囲い込むこと、および、気候変動対策などを重点とした莫大な(国内)補助金ということだ。
『自由貿易や規制緩和による市場重視の経済政策から、補助金を使った産業政策への大転換を宣言した。これは「新しいワシントン・コンセンサス」と呼ばれている』
さて、この新しいワシントン・コンセンサスとは一体何か。旧来のワシントン・コンセンサスの諸要素、「貿易自由化」「海外直接投資」「(各国)政府事業の民営化」「規制緩和」「各国家の財政規律の維持」などなどは以降どうなっていくのか。これら「ワシントン・コンセンサス」諸要素がこれまでの世界をどれだけ規定してきたかを思えば、アメリカのこの大転換は日本の明日を規定する最重要事項にもなっていく。
サリバン大統領補佐官が唱えた「新しいワシントン・コンセンサス」の中身は、バイデン大統領が直面している4つの挑戦に応えるものなのだそうだ。①米国産業基盤の空洞化、②地政学的安全保障競争、③気候変動危機下のエネルギー改革、④不平等とそれによる民主主義への打撃。
①と②は、中国の挑戦によってもたらされたものと従来から吹聴されてきた。③と④とは、アメリカ自らが先頭に立って、日本や西欧、さらには搾取されたグローバルサウスを含めた世界に招いてしまったものである。
これらを具体的に進める方向として上がっているのが、半導体製造をG7などに囲い込むこと、および、気候変動対策などを重点とした莫大な(国内)補助金ということだ。
なお、これらの方向に内外から批判が上がっていることも、現代ビジネスは紹介していた。貿易保護主義にはマクロン仏大統領やイギリス・マスコミなどが猛反発し、サマーズ元米財務長官もこんな批判をしていると言う。
『外国製品への関税を強めるのは、我々の生活水準や米製造業の生産性を下げるものだし、第二次大戦後の米伝統、多国間主義を放棄しているものでもあって、失望した』
さてさて、この「新しいワシントン・コンセンサス」によって世界が長く、大きく変わっていくことは確かだろうが、日本保守政治陣営は、日本国民のためになるという意味でこれに正しく対処できるとは思えないのである。旧ワシントンコンセンサスをそのまま取り入れさせられた日本では、アジア通貨危機、住宅バブル破裂などを通して、中産階級がアメリカ以上に、ずっと前から没落していて、それによって50歳まで未婚男子が多くなって、それに対応した未婚女子、子なし女子も増えたのである。これによって、韓国と並んで一路小国化の道を辿ったのであった。