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新聞の片隅に載ったニュースから(210)     大西五郎

2015年09月06日 08時47分04秒 | Weblog
「引退した一私人の発言」 政府、元最高裁長官の批判受け(15.9.5 中日新聞)

中谷元・防衛相は4日の安全保障関連法案に関する参院特別委員会で、元最高裁長官の山口繁氏が集団的自衛権の行使を認める安保法案を違憲だと批判したことについて「引退した一私人の発言に政府の立場でのコメントは控える」と論評せず、法案は合憲との考えを重ねて示した。菅義偉官房長官は「中谷氏が答えたとおりだ」と述べた。横畠裕介内閣法制局長官も「意見はしない」と歩調を合わせた。いずれも民主党の小西洋之氏の質問に答えた。

元最高裁長官の違憲指摘 谷垣氏「個人的な認識」(15.9.5 朝日新聞)

自民党の谷垣禎一幹事長は4日の記者会見で、山口繁・元最高裁長官が朝日新聞のインタビューで安全保障関連法案を「違憲」と指摘したことについて、「(最高裁)長官を経験した方が少数意見を書くこともある」と述べ、山口氏の個人的な認識だとの見解を示した。
山口氏は政府が集団的自衛権の使用容認の根拠としている最高裁の「砂川判決」について「集団的自衛権を意識して書かれたとは考えられない」と述べている。谷垣氏は「個々の裁判官でなく最高裁がどういう判断を示してきたかを前提に議論を立てている」と反論。「砂川判決は憲法9条が何もできないとは云っていないという論理」と述べ、政府見解は正当との認識を示した。

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二人の発言は、その道を極めた人の発言を「引退した一私人の発言」「個人的な認識」とわざと「権威はない」とする思い上がった発言です。しかし単に政府の要職にいるという思い上がりではなく、自分たちが通そうとする法案が世論から反対を受けているという“あせり”の裏返しだと思います。
憲法審査会で与党が推薦した人を含め、3人の憲法学者が「集団的自衛権を行使しようとする安保法案は憲法違反」という見解を示したことが流れを変えました。このため政府は「砂川判決が集団的自衛権を否定していない」という苦し紛れの論拠に縋っています。
しかしこの論拠も元最高裁長官によって否定されました。政府、与党は砂川判決が「必要な自衛の措置」を認めていることを根拠に、限定的な集団的自衛権の行使容認を導き出しましたが、山口元長官は共同通信のインタビューに答えて「(当時の時代背景を踏まえれば)集団的自衛権を意識して判決が書かれたとは到底考えられない。憲法で集団的自衛権、個別的自衛権の行使が認められるかを班案する必要もなかった」「集団的自衛権の行使は憲法違反という従来からの政府解釈が国民から支持され、九条の意味内容に含まれると意識されてきた。それを変えるなら、憲法の改正が必要になる」と述べておられます。(5日中日新聞)
政府はほぼすべての憲法学者が「安保法案は憲法違反」という見解を示したことに対して、「憲法の番人は最高裁であって憲法学者ではない」と言ってきましたが、最高裁元長官の解釈は否定しがたく、これまでの論拠すらも「個人的見解」と変更して恥じない態度は許されません。
                             大西 五郎
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