当ブログ誕生以来18年、初めてこんなに長く休みました。済みませんでした。何はともあれ、新年おめでとうございます。
さて、月刊誌「世界」12月号から、寺島実郞の「21世紀未来圏の日本・再生の構想」と名付けられた論文が連載されている。12月号が「日本をめぐる世界情勢」、1月号が「多次元外交」、2月号が「耐久力強化の産業創生」と名付けられている。この論文を順を追って紹介していきたい。初めは今後の方針を出すための日本をめぐる世界情勢についてである。
明治維新の頃の日本GDPは、世界全体の3%ていど、それが、敗戦時にはまた3%に戻って、高度成長時代を経た1994年には18%になっていたが、2023年にはまた3%台に戻っている。このようになった「外なる世界潮流と内なる日本の社会構造」をしっかりと再確認しておきたい」、これが12月号論文の中身である。
明治維新の頃の日本GDPは、世界全体の3%ていど、それが、敗戦時にはまた3%に戻って、高度成長時代を経た1994年には18%になっていたが、2023年にはまた3%台に戻っている。このようになった「外なる世界潮流と内なる日本の社会構造」をしっかりと再確認しておきたい」、これが12月号論文の中身である。
この論文の前半分、「外なる世界秩序の流動化 『全員参加型秩序』における日本の役割」では、20世紀型の大国極構造は終わり、「公正な分配」「地球全体の共生」を図る制度設計への構想力が問われると述べられる。米中ロのどの極も正当性を失い、グローバルサウスの生存、影響力などが強調されている。対して日本は冷戦終結後、米国流の金融資本主義に埋没し、国連における存在感も著しく後退させてきたと述べられている。日本の国連分担金が2000年の21%から22年8%へと落ちる間に、中国のそれは1%から15%へと増えている。
「日本の内なる社会構造の変化 『異次元の高齢化』の先行モデルとして」が、この論文の後半である。ここではジェロントロジー(高齢化社会工学)なるものが中心的に論じられている。この道の先行モデルとして、世界に範を示せと語るのである。社会のお荷物になるのではなく、「年長者としての知見と責任を自覚して次世代のためにあるべき社会を残す基盤となるのかが問われる」と語られている。
日本の人口が一億人を超えたのは、1966年。この時65歳以上は6・6%だったが、2050年人口はまた一億人に戻り、65歳以上が37%になる。彼らの力を借りない社会は衰退の一途だ。彼らの参画と活用を考えるべきと述べるのである。
「2022年現在、65歳以上の就業者数は912万とされるが、就業だけでなく、子育て、教育、文化活動、NPOなど、社会を支える活動への高齢者の参画が、社会の安定、民主主義の成熟にとって重要な意味を持つのである」
このことの詳論は、「世界」2月号で述べられることになる。
続く