高齢ランナーに必読と言える「ためになり、励まされる文章」を読むことができたので、ご紹介したい。書いたのは日本ランニング学会会長のお医者さんで、伊藤静夫さん。その内容をざっと紹介したい。なお、この文章は、考察の資料が日米欧の著名なマラソン大会一般参加者を追ってきたその記録と年齢の相関関係とあって、「ランナー一生の記録変遷」といえるようなものである。
・2004年ニューヨークシティマラソンの結果を調べ、年齢別にタイムを比較したところ、19歳を振り出しに、ランナーたちは毎年速くなり、27歳でピークに達したあと、タイムは落ちはじめる。が、19歳のときと同じスピードに戻るのは何歳のときか? これが実に、64歳なのである。
・またドイツのデータでみると、20〜54歳代の半数のランナーがゴールしたとき、65〜69歳代の1/4の高齢ランナーもすでにゴールしているという。
・アベレージランナーたちは、決して特別な人たちではないことがわかってくる。やはりドイツの研究例では、平均的なトレーニング内容は週3回、1時間程度のもので20〜69歳までの範囲で年齢による差は見られない。さらに、50〜69歳の高齢ランナーの1/4は5年以内にトレーニングをはじめた初心者ランナーであった。
この考察の最後にあった以下の文章がまた、以上の実証全体にある説得力を与えていた。
『 そもそも、人類250万年の進化史において、農耕、牧畜が始まったのはこのわずか1万年前、残り249万年間は狩猟採集生活だった。したがって人類の体の基本設計は狩猟採集に適合するようにできている。そして、狩猟方法の基本は暑いサバンナをひたすらゆっくり長く走り、獲物を追い詰める持久狩猟であったと言われる。つまり、ゆっくり長く走ることこそ、今でも我々ホモ・サピエンスのライフスタイルの基本中の基本なのである。Born To Runと言われるゆえんである。』
さー、明日からまたまた元気が出てきたような。12月月間目標150キロも、昨日現在135キロに届いたから、あと3日ほど走れれば170キロになる。
コロナが収束してくれて以前の様な普通の大会が1日も早く開催されると良いですね。
「19歳から27歳までタイムが伸びて、19のタイムに戻っていくのが64歳」
そして、この文化人類学的傍証として、人類誕生初めの250万年ほどかかって「そういう二本脚習慣身体が出来上がってきたはずだ」ということに。たとえば、チーターなど猫族は短距離走者ですし、オオカミなど犬族は長距離走者です。それぞれ心肺機能を含めてそういう身体をしている。人間だけは、二本脚で犬族の心肺を持っているという特別な存在なのだということ、このことに驚いたんです。するとたちまち、こんな気がしてきたわけです。僕もフルを5時間30分で走れるのかな?? 僕の19歳はちょっと前に、運動会の運動靴走り初めての400mで60秒をかなり切ったということなんです。最近陸上部だった友人が教えてくれた、僕としては無頓着で忘れていた記録だったんですが・・・。