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随筆紹介  ツバメ    文科系

2018年07月24日 12時59分54秒 | 文芸作品
 ツバメ  K・Kさんの作品です

 孫娘は小学校の放課後スクールの帰り道に、ツバメの巣を見るのを楽しみにしている。家の軒下に作られた巣の中から三羽の雛が見える。灰色の産毛から黒に変わり、黄色のくちばしも大きくなってきていた。
 でも今日はスマートの中は空っぽ。糞よけの籠も外されている。「巣立ったのかな?」孫はがっかりしながら周りを見ると、電線に小さめのツバメが三羽並んでいる。そこへ親が餌を口移しで与えた。飛べるようになっても餌を自分でとれるまで親が面倒みるのだと初めて知った。孫は絵本で見たのと同じ光景を見ることが出来て興奮気味だ。帰宅後絵本を広げて見入っていた。

 人間に例えれば十八歳くらいだろうか? 身体は親とほぼ同じだが、まだ自立していないのだから。人が一人前になるのはいつのことだろうか? 親元を離れた時? 社会に出た時か? 私はいつまでも親を頼りにしていたから、ツバメの事をとやかく言えないが。

 身近なツバメに興味がわき引き込まれた。ツバメの寿命は三年から五年らしいが小さいので天敵が多く、平均寿命は一・五年とか。夏になると自分で餌をとれる若鳥になり、河原のアシの中で集団で過ごす。秋の終わりに東南アジアなどの暖かい地方で越冬する。あの小さな身体で渡るのだから、生き残れるのは十三%程度という。日本へは豊富な餌を求めて春に来るようだ。知るほど愛おしくなる。

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