こんな大混戦、Jリーグで今までにあっただろうか。
今は1位の常勝・浦和も、今期初めには2連敗していた。8節まで1位に付けていた鹿島はこの間、負、分、分、分、負、負と6戦勝ち無しで、いつの間にか6位だ。名古屋を抜いて2位に付いていたばかりのFC東京も、この2連敗で4位に落ちた。強い横浜も最近の3戦に負、分、分で7位だし、列強の一つだったはずのガンバ大阪にいたっては、現在10位という有様である。こんなかってないような混戦は一体、何なんだ?
どこも走力を身に付けたということが、第1だろう。とにかく、走り続けないと負けるのだ。アジア・チャンピオンズリーグを並行して闘っている鹿島とガンバが急に落ちているのがその証拠だ。両チームが疲れすぎているということである。
もう一つ原因があるように思う。どこも防御戦術が高度化しているようだ。浦和以外の上位チームにおいて得失点差が異常に少ないと思うから。全チームがゲーム前に相手攻撃パターンを徹底的に分析して、相手に合わせた万全の防御態勢を敷いて臨んでいるのだろう。
さて、名古屋はどうなるか? 浦和、川崎とともにこの混戦を抜け出ると思う。この3チームの特徴はこんなふうだ。浦和は、攻守のメリハリが上手だ。前半をセーブして守り、後半に爆発的に点を取っている。22得点中19点を後半に上げているのだから。意外に大きい大穴はと言えば、川崎かも知れない。シュート数と被シュート数の差がもの凄く大きい。前者がダントツの200、後者がガンバ大阪の89に次ぐ91で、その差109。同じ数字が浦和は17、名古屋は7である。ただし、名古屋や浦和はシュート決定率が高く、この両チームは被シュート決定率も低い。
同じように強いチームでも、タイプが全く違っていると気づく。川崎は「中盤までの防御に凄く強く、攻撃は最大の防御なりというチーム」だし、浦和、名古屋は最後の守備が強いチームと言える。
このものすごく高度化しつつあるJリーグで、混戦を抜け出る手段はなんなんだろうか?
まずやはり、防御だと思う。失点が不安定なチームは勝ちが続かない。全員防御で、最後の球際、タックルが強くないといけない。全員防御の川崎は今まで、中盤で防御するから、最後の防御は?というようなチームだったが、こういう防御には不安が残る。あまりシュートを打たれないが、打たれれば点になる確率が最も高いというチームなのだ。その点、名古屋はチームタックル数がダントツである。個人タックル数ベスト10にも2人入っているが、こんなチームは他にはない。
攻撃の方は、多様な手段を持ち、それをどんどん使い分けていかないと、すぐに点が取れなくなっていくだろう。攻撃がパターン化したチームは、そのパターンの源のところでどんどん防がれるようになってきたからだ。①敵ゴール前でワンツーを多用できること、②足の速いFWを持っていること、③クロス・ポストの精度があること、そして④セットプレーに強いことなどが大切になると思う。
これらの点すべてにおいて、名古屋は強い。②には杉本と玉田がいる。③にはポスト・ヨンセンへの右サイドからのクロスがある。竹内、小川はクロス数ベストテンに入っているし、交代で駆け上がるクロスの精度はまだまだ上がっていくはずだ。④についても、ヨンセン(186センチ)、バヤリッツァ(185)、吉田(186)、増川(191)と、空中戦を制する高さをも持っている。①についても、マギヌンがチームにもっともっとフィットしてくるはずであり、2人のFWにマギヌン、小川、中村などが絡んで、さらに高度化していくことだろう。
僕的には、①がこれから日本のどのチームにも最も大切なものになっていくのではないかと考えている。
(本日発売の雑誌で、少々書き直しました)
今は1位の常勝・浦和も、今期初めには2連敗していた。8節まで1位に付けていた鹿島はこの間、負、分、分、分、負、負と6戦勝ち無しで、いつの間にか6位だ。名古屋を抜いて2位に付いていたばかりのFC東京も、この2連敗で4位に落ちた。強い横浜も最近の3戦に負、分、分で7位だし、列強の一つだったはずのガンバ大阪にいたっては、現在10位という有様である。こんなかってないような混戦は一体、何なんだ?
どこも走力を身に付けたということが、第1だろう。とにかく、走り続けないと負けるのだ。アジア・チャンピオンズリーグを並行して闘っている鹿島とガンバが急に落ちているのがその証拠だ。両チームが疲れすぎているということである。
もう一つ原因があるように思う。どこも防御戦術が高度化しているようだ。浦和以外の上位チームにおいて得失点差が異常に少ないと思うから。全チームがゲーム前に相手攻撃パターンを徹底的に分析して、相手に合わせた万全の防御態勢を敷いて臨んでいるのだろう。
さて、名古屋はどうなるか? 浦和、川崎とともにこの混戦を抜け出ると思う。この3チームの特徴はこんなふうだ。浦和は、攻守のメリハリが上手だ。前半をセーブして守り、後半に爆発的に点を取っている。22得点中19点を後半に上げているのだから。意外に大きい大穴はと言えば、川崎かも知れない。シュート数と被シュート数の差がもの凄く大きい。前者がダントツの200、後者がガンバ大阪の89に次ぐ91で、その差109。同じ数字が浦和は17、名古屋は7である。ただし、名古屋や浦和はシュート決定率が高く、この両チームは被シュート決定率も低い。
同じように強いチームでも、タイプが全く違っていると気づく。川崎は「中盤までの防御に凄く強く、攻撃は最大の防御なりというチーム」だし、浦和、名古屋は最後の守備が強いチームと言える。
このものすごく高度化しつつあるJリーグで、混戦を抜け出る手段はなんなんだろうか?
まずやはり、防御だと思う。失点が不安定なチームは勝ちが続かない。全員防御で、最後の球際、タックルが強くないといけない。全員防御の川崎は今まで、中盤で防御するから、最後の防御は?というようなチームだったが、こういう防御には不安が残る。あまりシュートを打たれないが、打たれれば点になる確率が最も高いというチームなのだ。その点、名古屋はチームタックル数がダントツである。個人タックル数ベスト10にも2人入っているが、こんなチームは他にはない。
攻撃の方は、多様な手段を持ち、それをどんどん使い分けていかないと、すぐに点が取れなくなっていくだろう。攻撃がパターン化したチームは、そのパターンの源のところでどんどん防がれるようになってきたからだ。①敵ゴール前でワンツーを多用できること、②足の速いFWを持っていること、③クロス・ポストの精度があること、そして④セットプレーに強いことなどが大切になると思う。
これらの点すべてにおいて、名古屋は強い。②には杉本と玉田がいる。③にはポスト・ヨンセンへの右サイドからのクロスがある。竹内、小川はクロス数ベストテンに入っているし、交代で駆け上がるクロスの精度はまだまだ上がっていくはずだ。④についても、ヨンセン(186センチ)、バヤリッツァ(185)、吉田(186)、増川(191)と、空中戦を制する高さをも持っている。①についても、マギヌンがチームにもっともっとフィットしてくるはずであり、2人のFWにマギヌン、小川、中村などが絡んで、さらに高度化していくことだろう。
僕的には、①がこれから日本のどのチームにも最も大切なものになっていくのではないかと考えている。
(本日発売の雑誌で、少々書き直しました)