アルゼンチン・デフォルトは、弱肉強食が極まって、現世界の象徴的大事件。なんせ、一ファンドという「強食」が、一国家を「弱肉」として喰らっているのである。それもアルゼンチンという南米の雄の1国を、2001年一度ならず今回の二度までも。
一企業、いや一個人が、国家を喰らう。喰らわれた国家は莫大な税金を失うだけでは済まない。例えば、二度目のデフォルトを起こしたこの国は、ここの国債を多く持っていてくださった国々にも大変な迷惑をかけることになる。そういう国の通貨もどんどん下がるからだ。以下の文章冒頭には、そういう国名も上げてある。このアルゼンチンデフォルトはしたがって、ここの国債を多く持っている国の通貨も暴落という形で、ファンドによる空売りを招いたのではないか。タイから始まったアジア通貨危機と同じ事が起こったとも言えるだろう。
そしてなによりも、このアルゼンチンのデフォルトくり返しこそ、今のアメリカのTPP押しつけの行く末、将来世界を暗示していると言えるのではないか。
以下は、阿修羅掲示板から取った。かなり詳しい物で、僕が今まで書いてきたことと矛盾した点もない。
『 7月30日には懸念されている通り、アルゼンチンがデフォルトとなりそうです。ただ今回は、かなり特殊な事情があるためテクニカル・デフォルトといわれています。
アルゼンチンといえば、通貨ペソが本年1月22日~23日に1ドル=6.5ペソから一時8.5ペソまで急落し、それにつられてトルコ・リラ、南アフリカ・ランド、ロシア・ルーブル、インド・ルピー、インドネシア・ルピアなどが軒並み下落し、NYダウや日経平均もかなり下落した記憶が新しいところです。
今回の問題の発端は2001年で、アルゼンチンは920億ドルという「人類史上最高額のデフォルト」を引き起こしました。その中には1900億円のアルゼンチン政府発行の円建て外債(サムライ債)も含まれていました。
1991年にペソを等価(1:1)で米ドルに固定して外貨流入を図ったのですが、インフレが低下せずペソが割高になっていたところ、1999年に同じように通貨レアルをドルに固定していたブラジルが変動相場に移行したため一気に輸出競争力を失い、経済が破綻してしまいました。
ようやく2005年と2010年に平均75%の債権カットを93%の債権者が呑み、アルゼンチン政府も返済を始めました。現時点で残債が150億ドル程度となり、アルゼンチンの外貨準備も(本年初めのペソ急落でだいぶ減ったのですが)280億ドルあり、このままだと順調に返済は進むものと思われていました。
ところがアルゼンチンがデフォルトした前後に、米国人投資家のポール・シンガーがいくつかのヘッジファンドを通じて債権(アルゼンチン国債のようです)を額面の数%で大量に買い集めていました。
そして一切の債務交渉に応じず、利息を含めた元本全額の13億3000万ドルの支払いを求めてNY連邦地裁に提訴していました。驚くべきことに2012年11月にNY連邦地裁のトーマス・グリーサ判事がアルゼンチン政府に対して全額支払い命令と、同時に他の債権者(75%の債権カットを呑んだ債権者です)への支払いを停止する命令を出しました。
米国では地裁の判事が売名のために「過激な判決」を出すことは珍しくありませんが、もっと驚くべきことに本年6月に米国最高裁がアルゼンチン政府の不服申立を却下してしまい、グリーサ判事の判決が確定してしまいました。
アルゼンチン政府は、6月30日に予定していた和解済みの債権者に支払うべき8億3000万ドルを支払えず(そのうち米銀に預けていた5億4000万ドルは凍結されたはずです)、30日の支払い猶予期限が切れる7月30日にはデフォルトとなってしまいます。
ここで複数のヘッジファンドが全額支払いを求めていると報道されていますが、債権者はポール・シンガーただ1人です。
日本でも貸付債権などを大幅ディスカウントで買い集めて猛烈に回収する業者がいますが(例えばJトラスト)、ポール・シンガーは国家を相手に1000億円の「勝負」を仕掛けていることになります。まあ道義的には大変に問題がある「勝負」に米国裁判所が加勢したという「驚くべき構図」となります。
ポール・シンガーは日本ではあまり知られていませんが、米国では著名な投資家の1人です。旗艦ファンドのエリオット・アソシエイツを通じて、サブププライムローン危機でも空売りでかなり儲けたはずです。
また2011年の大統領選挙では共和党候補者のミット・ロムニーを支援していましたが、もともとロムニーも大富豪なのでそれほど資金を「無駄にした」わけではなさそうです。
日本では、昨年9月には2度目の会社更生法の適用を申請していた三光汽船のスポンサーに名乗り出ています。
さてアルゼンチン政府はポール・シンガーに屈してしまうと、せっかく和解した投資家も全額返済を求めてくるため、デフォルトとなっても頑張るしかありません。
しかしアルゼンチン政府は、凍結の恐れがあるといってもドル決済をやめてしまうわけにもいかず、長期戦は不可能です。
落としどころは全く想像がつきません。
世界の金融市場に対する影響は、今回はアルゼンチン経済そのものの問題でもないため、限定的なものとなるはずです。』
一企業、いや一個人が、国家を喰らう。喰らわれた国家は莫大な税金を失うだけでは済まない。例えば、二度目のデフォルトを起こしたこの国は、ここの国債を多く持っていてくださった国々にも大変な迷惑をかけることになる。そういう国の通貨もどんどん下がるからだ。以下の文章冒頭には、そういう国名も上げてある。このアルゼンチンデフォルトはしたがって、ここの国債を多く持っている国の通貨も暴落という形で、ファンドによる空売りを招いたのではないか。タイから始まったアジア通貨危機と同じ事が起こったとも言えるだろう。
そしてなによりも、このアルゼンチンのデフォルトくり返しこそ、今のアメリカのTPP押しつけの行く末、将来世界を暗示していると言えるのではないか。
以下は、阿修羅掲示板から取った。かなり詳しい物で、僕が今まで書いてきたことと矛盾した点もない。
『 7月30日には懸念されている通り、アルゼンチンがデフォルトとなりそうです。ただ今回は、かなり特殊な事情があるためテクニカル・デフォルトといわれています。
アルゼンチンといえば、通貨ペソが本年1月22日~23日に1ドル=6.5ペソから一時8.5ペソまで急落し、それにつられてトルコ・リラ、南アフリカ・ランド、ロシア・ルーブル、インド・ルピー、インドネシア・ルピアなどが軒並み下落し、NYダウや日経平均もかなり下落した記憶が新しいところです。
今回の問題の発端は2001年で、アルゼンチンは920億ドルという「人類史上最高額のデフォルト」を引き起こしました。その中には1900億円のアルゼンチン政府発行の円建て外債(サムライ債)も含まれていました。
1991年にペソを等価(1:1)で米ドルに固定して外貨流入を図ったのですが、インフレが低下せずペソが割高になっていたところ、1999年に同じように通貨レアルをドルに固定していたブラジルが変動相場に移行したため一気に輸出競争力を失い、経済が破綻してしまいました。
ようやく2005年と2010年に平均75%の債権カットを93%の債権者が呑み、アルゼンチン政府も返済を始めました。現時点で残債が150億ドル程度となり、アルゼンチンの外貨準備も(本年初めのペソ急落でだいぶ減ったのですが)280億ドルあり、このままだと順調に返済は進むものと思われていました。
ところがアルゼンチンがデフォルトした前後に、米国人投資家のポール・シンガーがいくつかのヘッジファンドを通じて債権(アルゼンチン国債のようです)を額面の数%で大量に買い集めていました。
そして一切の債務交渉に応じず、利息を含めた元本全額の13億3000万ドルの支払いを求めてNY連邦地裁に提訴していました。驚くべきことに2012年11月にNY連邦地裁のトーマス・グリーサ判事がアルゼンチン政府に対して全額支払い命令と、同時に他の債権者(75%の債権カットを呑んだ債権者です)への支払いを停止する命令を出しました。
米国では地裁の判事が売名のために「過激な判決」を出すことは珍しくありませんが、もっと驚くべきことに本年6月に米国最高裁がアルゼンチン政府の不服申立を却下してしまい、グリーサ判事の判決が確定してしまいました。
アルゼンチン政府は、6月30日に予定していた和解済みの債権者に支払うべき8億3000万ドルを支払えず(そのうち米銀に預けていた5億4000万ドルは凍結されたはずです)、30日の支払い猶予期限が切れる7月30日にはデフォルトとなってしまいます。
ここで複数のヘッジファンドが全額支払いを求めていると報道されていますが、債権者はポール・シンガーただ1人です。
日本でも貸付債権などを大幅ディスカウントで買い集めて猛烈に回収する業者がいますが(例えばJトラスト)、ポール・シンガーは国家を相手に1000億円の「勝負」を仕掛けていることになります。まあ道義的には大変に問題がある「勝負」に米国裁判所が加勢したという「驚くべき構図」となります。
ポール・シンガーは日本ではあまり知られていませんが、米国では著名な投資家の1人です。旗艦ファンドのエリオット・アソシエイツを通じて、サブププライムローン危機でも空売りでかなり儲けたはずです。
また2011年の大統領選挙では共和党候補者のミット・ロムニーを支援していましたが、もともとロムニーも大富豪なのでそれほど資金を「無駄にした」わけではなさそうです。
日本では、昨年9月には2度目の会社更生法の適用を申請していた三光汽船のスポンサーに名乗り出ています。
さてアルゼンチン政府はポール・シンガーに屈してしまうと、せっかく和解した投資家も全額返済を求めてくるため、デフォルトとなっても頑張るしかありません。
しかしアルゼンチン政府は、凍結の恐れがあるといってもドル決済をやめてしまうわけにもいかず、長期戦は不可能です。
落としどころは全く想像がつきません。
世界の金融市場に対する影響は、今回はアルゼンチン経済そのものの問題でもないため、限定的なものとなるはずです。』
て、思ったりもしますがね。
国家が勝つのか、個人が勝つのか、なかなか面白いです。
主に、各国の金融機関やその類でしょう。
国家&主要金貸し、対、個人。
です。
75%問題と、そして国家か個人かという問題ね。
こういう個人は自分の利益だけしか考えない。これがその現れ。
『ところがアルゼンチンがデフォルトした前後に、米国人投資家のポール・シンガーがいくつかのヘッジファンドを通じて債権(アルゼンチン国債のようです)を額面の数%で大量に買い集めていました。
そして一切の債務交渉に応じず、利息を含めた元本全額の13億3000万ドルの支払いを求めてNY連邦地裁に提訴していました』
さて、こういう個人に国家が負けるという事態がどんどん起こってきたとしたら、世の中はどうなるでしょうか。国民全ての福祉に(曲がりなりにも、法律基準の半分でも)責任を負う機関がどこにも存在しなくなります。こんな世の中は、こういうものと言えるでしょう。例えば、貧しい人の生活を(ちょっとでも)改善しようとする所がなくなりますね。文字通り弱肉強食の世の中です。競争に負けた国家に、どんどん金がなくなっていく世の中ですからね。
貴男、これに賛成ですか。失業保険などもまーなくなるかも知れません。弱者は死ねと言う世の中ですよ。
次いで一言。これは二つともいつもの名無しさんのコメントではありませんな。思いつきですが、何人かが書かれていたように、あの人と名無しさんはグルですか? まーそれも良かろう。付き合いますよ。
ただし、実名と名無しと、両方でやるのは卑怯きわまりないというのは、十分にお分かりですよね。
最後に、僕がここでずっと、どんな問題よりもヘッジファンドを、ヘッジファンドが国家を喰らうということを、現世界・日本の最大問題と見てきたというのは、(名無しさんならぬ?)聡明な貴男なら十二分にお分かりでしょ。その観点こそ、一つ上の「多少まともな・・・」に書いた論理です。まーお分かりでしょうが、だめ押しですね。
日米などのヘッジファンドが中小国をどんどん喰っていけば、そういうことを放置すしているままであれば、やがてはそうやって増やした金で大国とも勝負できる時代がすぐに、必ずやって来る。なんせ、手持ちの金の25倍ほどの大勝負を賭けるレバレッジという仕組みまであることだし。極端に言えばこんな事だってあるよ。
日米ヘッジファンドが協力し合って、日本国家の金を狙う、ね。
重ねて、ごめん。
じゃ、もう一人の名無し君。とっても大事なことだから回答コメントを僕は三連発したわけね。そちらの的を射た明快な回答を待っている。もちろん他の人でも。上に書いたように、当面の現代世界最大中の最大の問題と思うからだ。通貨危機も、住宅バブルも、リーマンショック、そしておそらくイラク戦争にも、現代世界の大悲劇にはほとんどこのことが主因として関わっていると、僕は見ているからだ。これを規制するのは一国レベルでは到底無理。他の難題をあれこれと突きつけられることになるだけだ。何せ相手はものすごい力を持っているのだから。国連レベルでの規制討論を避けられない。世の中を昔に戻すこともできないのだし。
「王様は裸んぼだぁ」と、言った、子供(個人)の方が、正しかった。
‥デフォルトした、キプロスや、その寸前のギリシャを見てみれば、分かる。
アルゼンチンは、まる裸な事を受け入れて、次の手を考えることで、再度浮上できるかもしれない。
文ちゃん、「アメリカの禿鷹だから、全て悪」て、固定観念に縛られているうちは、ダメだね。
帝国主義戦争が地上に次々と現れて、これについての国際法がまだなかった時代には、強国が他の国に戦争ふっかけて土地を切り取っても違法ではなかったのだ。この時代はまた、白人帝国主義国の方が偉くって、有色人種は差別されていた時代ね。でもやがて、どの人間も平等ということになってきて、当時の弱肉強食が制限されるようになった。国際連盟や国際連合ができて、戦争が違法化されたのね。
先進国ヘッジファンドによる弱肉強食の「他国切り取り」は、かならず国際法違反となる時代が来ます。間違いありません。「75%」も、そういう想像力を働かせて考え直してみましょうね。
「今の時代の基本はずっと同じ。今の世の全てがずっと続くのだ」
名無し君の言い分は、これの典型ね。こうしてつもり、今の世界法(欠如)が全て正しいということにはなりません。