安倍国葬が許せない理由はいろいろあるが、今回は最低限の三つばかりを書いてみよう。
一つは、昨日も書いたことだが、「選挙で5回も勝ったぞ!」と彼が豪語したその選挙で、「統一教会の改名を密かに認め、議員がこれの広告塔に努めてきたその見返りとして、政権党選挙に大活用。安倍がその元締め」という汚すぎることをやってきたということ。「戦後最長政権だったから」という政権側の国葬理由そのものに、「この醜悪」が含まれているという話なのである。
次いで2番目の理由に、これをあげたい。この25年ほどの日本は、国民一人あたり購買力平価GDP世界順位を30位ほど下げた。そして、台湾はもちろん、韓国にも抜かれ、その結果なのだが平均給与までも抜かれている。結婚できぬ男性を増やし、少子化・小国化が止まらない理由にもなっているはずだ。この25年の最長政権が、アベノミクス下でなにをやってきたのかという話である。この点については、当ブログ拙稿この5日の『ある書評、「日本貧困化、ある結末」』を参照されたい。
次いで、3番目の理由がこれだ。反対者を罵倒する国民分断の全体主義に走った結果、独裁政治に傾きかけていた。反対者には「非国民」「こんな人たち」とあからさまな敵視で対し、国会でも嘘の答弁を繰り返すなどは、まともな政治家のすることではない。国権の最高機関・国会でこれだけ嘘を使った総理がかっていただろうかという話である。
こういう傾向の結末として、安倍は日本国政史上に残る独裁への大(未遂)事件を起こしている。これは日本戦後政治家最大の恥の一つになるはずである。検事総長人事を内閣令によって握ってしまおうとして、歴代検事総長連名で「ルイ一四世」と告発されたその三日後に「取り消し」という、日本の三権分立を脅かそうとした初の首相なのである! 検事総長とは、裁判への起訴権を握る唯一最高の権力なのだ。