今の安倍国葬とはどんな意味を持っているか。「選挙には5回勝ったぞ!」と国会ヤジで豪語してきた安倍晋三をこそ称えようというのである。国葬賛成派が「戦後最長の首相であって、外交実績なども大きいから」と主張しているのがその証拠だ。
ただし、この「5回勝利」は、政権党その周辺には「戦後最上の恩」だろうが、国民には醜悪すぎる手練手管、永年築き上げてきたテクニックがあった。というその本質が今や白日の下にさらされているのである。
この5回の選挙勝利において、国民にとっては暗黒のカルト宗教団体を改名公認してやり、安倍派議員が中心となって当カルトの広告塔に励みつつ、その見返りとして選挙でこそ大活躍してもらって来たのである。いったん国民の信用を喪失したカルト信者たちによる狂信の恩返しを自民勝利に結実させていったというこの構図、舞台には、鬼気迫るものさえ感じられないだろうか。
こんなすべての事実が、皮肉にも安倍暗殺事件を通じて一挙に世に暴露されたのであった。山上徹也への情状酌量の声がどんどん大きくなってきたのも、必然の流れである。
「自民党があちこちの宗教団体に手足を持っているのは有名だが、統一教会改名活用というこんな醜悪にまで手を伸ばしていた!」
「これを実現したのがまた、祖父である岸信介以来の安倍晋三の統一教会人脈」
「統一教会票の取りまとめをしていたのも、安倍晋三!」
こんなことが国民に分かってしまった以上、この大逆風に対する正面突破の道は、国葬だけになってしまって、
「国葬成功によって安倍批判を押し返せねば、政権党の明日さえ危うい」
さて、野党も今「攻めて、攻めて、攻め抜く」などと豪語しているが、果たしてこの国葬を阻止できるのか。こんなにも醜悪な国葬なのだと、誰の目にも見えるのに、である。