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ロ・ウ戦争は米既定方針の一環  文科系

2022年08月14日 06時04分30秒 | Weblog
ある本を読んでいたら、標記のことに出くわした。その本は、ここで一度紹介したことがある『「日米基軸」幻想――凋落する米国、追従する日本の未来』(詩想社2018年6月刊、進藤榮一と白井聡の対談)。予告の主はキッシンジャーと並ぶアメリカ外交のトップ・頭脳を務め続けて来た、ブレジンスキー。進藤・白井ご両人が、ブレジンスキー・ウクライナ地政学を昔からエスタブリッシュメントの合意事項として、このように紹介している。該当部分抜粋で、紹介したい。

『進藤 ・・・・冷戦が終わって、ブレジンスキーはユーラシア戦略というのを描くわけです。おもしろいことに、その主軸はウクライナなのです。ウクライナを軸にしてユーラシアを、アメリカが支配するのだと考えます。だからウクライナの2004年から5年にかけての政変は、まさに湾岸戦争、反テロ戦争の延長上に彼らアメリカのエリートたちがCSISを中心に描いていた戦略の中核です。そしてG7、G8からロシアを追放して、ウクライナを軸にNATOを東方拡大させ、そしてユーラシアから中東に至る資源エネルギーの宝庫を占拠するという戦略です。
白井 おっかないなと思うのは、ロシア人のものの考え方というのを理解したうえでそれをやっているのか、それとも理解していないからそういうことをやるのか、どっちなんでしょうか。
進藤 ブレジンスキーのロシア・コンプレックスの表れなのです。彼はポーランド人です。ポーランドは三世紀にわたって、ロシアに徹底して痛めつけられた国ですから。
白井 ポーランド人だから反露だというのは非常によくわかるのですが、ウクライナはその点はとても複雑なところです。ロシアはウクライナを絶対に手放そうとはしないということは明らかでしょう。
進藤 特にウクライナの東部に関しては、もうロシアですからね。たとえばフルシチョフはウクライナ出身ですよ。クリミア半島南端には、クリミア戦争以来のロシアの海軍基地セバストポリ軍港がある。ただ問題は、そういったブレインスキー流の考え方、つまりNATOを東方に拡大しながら、東方では日、韓、比、インド、タイ、豪州を入れて米国主導の軍事同盟を拡大していくという考え方は、ソ連崩壊後の世界をアメリカ帝国パート2の世界に格上げしていくというネオコン流の考えに通じ、それ自体、米国ワシントンのエスタブリッシュメントの間ではコンセンサスがあるのです。


 どうだろう、ここに紹介されているブレジンスキー・ユーラシア戦略と、それについて白井が述べた危惧の言葉などは、今のウクライナ戦争を予言したようなものと読めるのではないか。
 これと同じように興味深いニュースが、この本にはいっぱい入っている。トランプ政権誕生のその日の夜キッシンジャーが北京に飛んだとか。金融・株主資本主義でアメリカのモノづくり能力がすっかり失われて、残っているのが軍需、情報、食料だけだとか。アメリカ隆盛の数理的経済学が本家の理系からは馬鹿にされているちゃちなものだとか。2016年の大統領選挙のクリントン陣営費用が100億ドルかかった、とか・・・・。
コメント
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