2月22日エントリー「安倍晋三氏は、政治教養がない」の最後を、こうまとめて終えた。少々補足修正をも加えるが。
『 嘘八百答弁を重ねてきた国会無視。裁判への起訴権を一手に握る検事総長人事への介入を画策した三権掌握・独裁政権志向。「私が国家」と、モリカケ桜に示された「私の国家」など、国家の私物化。特定の主権者らを一人の公僕が『反日』などと呼ぶ全体主義国家観。氏は要するに、国民主権に無知なお方なのだ。国民主権からこそ「私の国家」つまり独裁を排する国家体制、三権分立も生まれたのであるから、これら総てが国民主権を知らない証拠になろう。知っていて国家無視連発ならもっと重罪になると言っておく。いずれにせよ、政治家としては恥ずかしすぎることだから辞めなさい。』
ちなみに、この27日に山口二郎教授がわざわざ彼の名を上げてこんな事を語ったのも、僕と同じ思いからと確信している。
『今回のプーチンの侵略と日本の核武装との間に何の関係があるのか。核兵器は安倍のような愚かな政治家に持たせるにはあまりに危険な玩具である』
さて、こんな政治家が政権党最大派閥のボスに座り直したのである。この派閥の議員たちは、一体何を考えているのか。これだけ三権分立や民主主義を無視してきたとはっきりしている政治家をボスに頂いているなんぞは。そして、こんな政治家を今なお、日本の重鎮のように扱い続ける日本各界は一体どういう政治思想に基づいてそうなのか。
なによりも、不思議で仕方ないのがこのこと。これだけ普通の政治教養・道徳に反して来た悪徳政治家・安倍晋三氏をマスコミはどうして批判しないのか。政治家である資格をとっくに失っているはずなのに、いまだに何か実力者のように周囲が扱って、あちこちに顔を出させ、国権の最高機関国会に於いて嘘八百を並べてきたその口にものを語らせている。彼の実力、権力って上に書いたようにすべて「政治家としては反則技」によってもたらされたものばかりとも思われて、反則しても勝てば良いという典型的な悪役レスラーじゃないか。「選挙には5回勝ったぞ!」と国会における批判に混ぜっ返したのも有名な事件になっている。スポーツにはもちろん、エンタメにもルールがあるだろうに、政治の基礎的原則やルールをマスコミはどう考えているのか。
こういう人物を持てはやす連中は、こういう政治家よりも率先して全体主義国家を作っていく原動力になるものだ。それで、東條英機をここの別エントリーに例として示した。東條は、自分と国民が作る政治時流との関係について戦前はこう語り、戦後こう反省していたのである。
「国民が一旦ある方向に動き始めたら、どんな政治家にも止められない」
この彼、こういう時流形成主体としての己の役割を戦前はこう語っていたのだ。
「政治家が国民を引っ張らねば、何年経っても国は良くならない。大部分の国民は灰色なのだから」
そう、国民が灰色だからこそ、政治家が特定方向に国民を引っ張るなどは悪いことにしかならないのである。そもそも、憲法を変えるために首相が率先して国民を引っ張っていくという姿勢そのものが、全体主義の典型例ではないか。東條が教えてくれたのはそういうことだったはずである。
野党にももの申したい。安倍晋三氏は、与党の中でも特に日本の民主主義を破壊しようとしてきた最大の癌である。日本の民主主義にとって最大の国家の癌を実質手術できなくって、どんな実効ある「国家の対案」を実現できるというのか。日本政治の何をおいてでも、この悪役レスラーを退陣させるべきである。なにしろ、河井克行が身を挺して示してきたように自民党自身がここからこそどんどん腐ってきたと言えるのだから。現実政治というのは喋ることではなく、「一点突破」。そういう「実効」を上げることだろう。