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右翼ポピュリズム国続出のわけ    文科系

2018年12月14日 20時49分39秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 右翼ナショナリズムが世界的に栄えている。トランプ、アベ、プーチンは皆それに乗って来たのだし、イタリア、トルコ、ハンガリー、イギリスなどもそうだろう。この「思想」をその温床から考えてみることは、そんなに難しいことではない。

①ここ30年ほどの新自由主義「暴力」世界で食ってきた人々を支える伝統的価値観、思想は存在しないから、それが生み出されねばならなかった。その要素は以下のようなものだ。

②まず、新自由主義の社会ダーウィニズム的弱肉強食暴力は暗黙の前提とされている。どの国でも、税の再配分機能を前提とする基本的人権は縮小して良いとされ、強者は独力でそうなったと、その報酬も独力で得た自然なものと観られるようになった。

③経済の世界化に対して、愛国、国の伝統への正当化も含んだ回帰の形も生まれる。同時に、それぞれの愛国の古い部分を修正、強調して、民主主義抑制への防波堤とする。イスラム回帰、ボストンティーパーティー回帰、「2019年こそ絶好機」とする皇室回帰・帰一などなど・・・。一国の弱者たちの一部相手に、これが世界(の暴力)から守ってくれると主張し、信じさせる政治勢力が力を増してくる。

こういう思想の特徴は常にこれ。世界(人類)が欠けることと、自国をも近代世界史の中で観られねばならぬという点が欠けることである。このように考える時間空間が狭いのは、今の為政者らの自分が直接間接に依って立つ新自由主義的暴力をまともに観ないという意味でも偏っているということ、つまり非科学である。

 ちなみに、新自由主義的暴力が暴力であるゆえんは、どれだけ保護主義を唱えても、金融自由化だけは手放さないというトランプの身勝手さによって証明される。物貿易でもうける国と、英米のように金融でもうける国との世界的立場は今や全く反するのに、それが自由主義の下に同居する奇妙な時代なのでもある。

 弱小国には、国連がどんどん資本提供すればよいのだ。そして、金融で他国からもうけることなど禁止すればよいのだ。日米英はいっぺんに没落するだろうが。リーマンの後、あれだけ話し合ったのに、金融規制はまた元の木阿弥である。これが現世界の諸不幸の元凶。 
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現代サッカーまたはユルゲン・クロップ   文科系

2018年12月14日 00時29分03秒 | スポーツ
 日本のサッカー雀は「バルサ、バルサ」と言い過ぎると思う。が、彼らは、今をときめく名監督がこう語るのを知っているのだろうか。

『バルサのサッカーは、退屈である。ちっともスリリングでないという意味で、ロマンもない』

 この監督こそ、CL決勝をドイツ勢同士で戦うなど、ドイツを現在の強さまで引き上げてきたユルゲン・クロップ。ゲーゲンプレスとドルトムントの名を世界に轟かせたお人である。この彼は今さらに、こんな境地にまで届いている。

 何よりも今この度また、プレミア首位へと名門リバプールを再復活させてその名を馳せている。しかもこの彼、去年はこのチームをチャンピオンズリーグ決勝まで進めた。この後今期の初め、クロップはこんなことを語っていた。
『CL決勝に出たことによって、世界的有望選手をリバプールが急に獲りやすくなった』
 今をときめくモハメッド・サラーは、こうして入った選手である。世界の名選手たちが、「この監督なら、チャンピオンズリーグに出られる。ベスト2とか4とかも・・・」と認めたということだ。Jの選手らが今、ACL優勝に執念を燃やすのは、世界クラブカップでレアルやシティと当たれるからであって、シティを負かすリバプ-ルは、彼らにとってももはや憧れのチームになっているはずだ。日本選手は世界の趨勢をよく知っていて、皆イングランドに行きたがっていることも含めて。岡崎、吉田は渡欧選手でも最も尊敬されているのである。

 こんなことも含めて、いまのクロップはもう、世界的名監督として3本の指に入っていると思う。比肩できるのは、グアルディオラとアンチェロティぐらいだろうか。ちなみに、モウリーニョはもう時代遅れになったと僕は観るようになった。彼やファンハールは守備とカウンターの名監督であって、ドルトムントの「攻守一体」が出現してからは、勝てなくなっていると観ている。去年のCL勝利などグァルディオラ・シティなど強豪には特に強いというのがクロップのまた面白いところで、本当にスリリングなチームを作るお人だ。

 ついては、ゲーゲンプレスと、その後への影響をもう一度改めて書いてみたい。

①ゲーゲンプレスとはカウンター・プレスの意味だ。相手が我らのボール奪取に成功して攻めに出た瞬間に逆に我らが前へ出て(相手のカウンターにこちらがカウンターをあわせて)組織的プレスで相手ボールを奪う。これに成功した時が「ゲーム中最も得点チャンスが高い瞬間である」と、こういう発想からの新しい得点法。これがゲーゲンプレス。

②これは、その後の世界サッカーを激変させた。さほどでもない選手でチームを手っ取り早く強くできる側面があるからである。その一例が13年のCL決勝がドイツ勢同士になったこととか、14年のブラジル大会ドイツ優勝。さらには、こういう重要なサッカー用語がその後世界中で重視されるようになったことにも現れている。「デュエル」「縦に速く」「攻守の切替」「ラインアップ」「下がって守備もできるFWの重視」。

③18年前半の日本で、広島が急に強くなったことにも、城福監督がこの戦術を取り入れたことが重大な関わりを持っている。ただ、この戦術は選手層が厚くなければ強さを保てない。

④川崎が強くなった理由を「風間の繋ぎサッカー」だけに求めるのは間違っている。風間の時は優勝は出来なかった。2連覇できている理由は、組織的潰しを取り入れたからに他ならない。小さな憲剛が今や、組織的プレスの先頭に立っている有様である。


 こうして、今のサッカーは高位コンパクト・プレスがいつでも使えなければ、強豪にはなれない。サッカーの繋ぎだけを見ていてはダメだということだろう。ちなみに、バルサはもともと、高位コンパクト・プレス・サッカーも非常に上手いチームである。これがバルサの高いキープ率の一方の原動力であると言って良いほどに。

コメント (3)
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