新聞の片隅に載ったニュースから(61)
民主政権機密費35億円 答弁書決定 野田内閣は13億円(2012.11.10 毎日新聞)
政府は9日の閣議で、民主党が政権交代を果した09年9月から今年11月5日までに歴代の官房長官に支出された内閣官房報償費(機密費)が計35億2000万円に上るとする答弁書を決定した。未使用額は約3886万円で、国庫に返納したとしている。
答弁書によると、野田内閣が発足した昨年9月2日以降、藤村修官房長官に支出された機密費は計13億3000万円で、国庫返納した未使用額は約2172万円。
12年度の支出日は4月6日、同27日、5月30日、6月29日、7月31日、8月30日、9月28日で各1億円。
共産党の塩川鉄也衆院議員の質問主意書に答えた。
□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□□
内閣官房には高度の政治的配慮を要する問題に対処するための経費が、報償費や調査費の名目で予算措置されてきました。これらの経費は内閣官房長官が預かり、その裁量によって支出されてきました。会計検査院の調査の対象にもなっておらず、その使途は明らかにされていません。このため、機密費とも呼ばれています。(朝日現代用語「知恵蔵」より)
今回も総額だけが明らかにされただけで、その内容はヴェールに包まれたままです。しかし、その時々の官房長官によりその一端が明らかになった部分もあります。宇野内閣の官房長官だった塩川正十郎氏は「外遊する国会議員に選別として配られた」「政府が国会対策のため、一部野党に配っていた」「マスコミ懐柔のために一部有名言論人に配られた」と語りました。
また、小渕内閣の官房長官であった野中広務氏は読売新聞の取材に応じて「自民党の国会対策委員長と参議院幹事長に毎月500万円渡した。複数の政冶評論家にも盆暮れなどに数百万円単位で配られた」と明かしました。
元NHK記者で甲府放送局長なども務め、後に名古屋の椙山女学園大学教授にもなった川崎泰資氏は、記者時代に首相外遊に同行取材した際、現地で政府関係者から封筒を渡され、中を見ると百万円分の通貨が入っていました。「これは何ですか」と尋ねると「お土産でも買ってください」といわれ、「こんなものは受取れない」と返したと明かしています。
2009年8月の総選挙で自民党が大敗し、政権交代が明らかになった時に、麻生内閣の官房長官だった河村建夫氏が内閣を去る直前に5回に分けて2億5000万円を報償費から引き出していたことが分かり、問題になったこともあります。
報償費は地方自治体でも費目を設けていますが、青森県では2004年度からの食料費、報償費、交際費の執行状況を公表しています。官房機密費の額の大きさからも、政府は税金が正しく使われているのか、国民の前に報償費の使途別目的を公表すべきです。
大西 五郎
民主政権機密費35億円 答弁書決定 野田内閣は13億円(2012.11.10 毎日新聞)
政府は9日の閣議で、民主党が政権交代を果した09年9月から今年11月5日までに歴代の官房長官に支出された内閣官房報償費(機密費)が計35億2000万円に上るとする答弁書を決定した。未使用額は約3886万円で、国庫に返納したとしている。
答弁書によると、野田内閣が発足した昨年9月2日以降、藤村修官房長官に支出された機密費は計13億3000万円で、国庫返納した未使用額は約2172万円。
12年度の支出日は4月6日、同27日、5月30日、6月29日、7月31日、8月30日、9月28日で各1億円。
共産党の塩川鉄也衆院議員の質問主意書に答えた。
□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□□
内閣官房には高度の政治的配慮を要する問題に対処するための経費が、報償費や調査費の名目で予算措置されてきました。これらの経費は内閣官房長官が預かり、その裁量によって支出されてきました。会計検査院の調査の対象にもなっておらず、その使途は明らかにされていません。このため、機密費とも呼ばれています。(朝日現代用語「知恵蔵」より)
今回も総額だけが明らかにされただけで、その内容はヴェールに包まれたままです。しかし、その時々の官房長官によりその一端が明らかになった部分もあります。宇野内閣の官房長官だった塩川正十郎氏は「外遊する国会議員に選別として配られた」「政府が国会対策のため、一部野党に配っていた」「マスコミ懐柔のために一部有名言論人に配られた」と語りました。
また、小渕内閣の官房長官であった野中広務氏は読売新聞の取材に応じて「自民党の国会対策委員長と参議院幹事長に毎月500万円渡した。複数の政冶評論家にも盆暮れなどに数百万円単位で配られた」と明かしました。
元NHK記者で甲府放送局長なども務め、後に名古屋の椙山女学園大学教授にもなった川崎泰資氏は、記者時代に首相外遊に同行取材した際、現地で政府関係者から封筒を渡され、中を見ると百万円分の通貨が入っていました。「これは何ですか」と尋ねると「お土産でも買ってください」といわれ、「こんなものは受取れない」と返したと明かしています。
2009年8月の総選挙で自民党が大敗し、政権交代が明らかになった時に、麻生内閣の官房長官だった河村建夫氏が内閣を去る直前に5回に分けて2億5000万円を報償費から引き出していたことが分かり、問題になったこともあります。
報償費は地方自治体でも費目を設けていますが、青森県では2004年度からの食料費、報償費、交際費の執行状況を公表しています。官房機密費の額の大きさからも、政府は税金が正しく使われているのか、国民の前に報償費の使途別目的を公表すべきです。
大西 五郎