代表が一皮剥けたと観ています。このことに関して、過去からずっと勉強してきたことを少しまとめてみます。南アワールドカップで土壇場まで持ち越された日本最大の悩みが解消されつつあるに等しいことか、とも。
南ア大会直前に岡田武史監督は最後まで迷い、悩んでいました。「それまで目指してきた前から行く全面プレス守備で行くか否か」を。そして、土壇場になって「低いブロック守備陣形」に切り換えたのでした。「得点力がない日本が先取点を取られたら苦しいから、守備の中盤を一人増やしたブロック守備でいく」と。そこに阿部勇樹が入って中村俊輔が外れ、本田圭佑のワントップという奇想天外な布陣が生まれたのでした。それまで目指してきたスペイン型の全員攻撃全員守備戦略にむらがありすぎたことによる結末と言うことができます。
この長期戦略目標実現は良いところまで行っていたのです。ヨーロッパ遠征でオランダと競り合ったなどと。しかし、ワールドカップの強豪に混じっては、まだまだ無失点の自信がなかったということでしょう。アジア予選でも四苦八苦していたわけですから。
さて、今はその状況がまったく変わったと言えるでしょう。オマーンとヨルダン相手に失点0の得点9です。ここまで何が変わったのでしょうか。まず、ザックジャパンになって間もなくのアジアカップ優勝で既に、こんな変化が見られていたのです。
①守備ではまず、日本の最前線が敵ボールを左右どちらかのサイドに追いやる。そのボールに詰めた中後盤選手は、後ろの味方などまったく気にせずにただ敵ボールだけに集中し、上手く繋がせないようにする。特に、サイドチェンジはこれを許さないこと。
②攻撃は、とにかく縦に速く。縦横両方から攻めて、敵陣形を縦横に広げながら。
③こうして、岡田武監督が果たせなかった、全員攻撃全員守備戦略を瞬く間に補正実現してしまったのでした。
さてそれ以降、まだむらがなくならなかったというのも、明らかです。3次予選最近の2敗は、その現われでしょう。悪いときにはどうしても次の二つの特徴が出ていました。一つは、得意のパスサッカーの繋ぎが当たりの強いチーム相手に後手後手に回った時で、ボールを奪われてカウンターを食いやすかったようです。守備では、センターバックにやや難があって、カウンターとセットプレーに弱かったかと言えましょう。これらの弱点に対してここまでの最終予選2連戦は上の3点をさらに精密にして、明らかに大きな修正が施されていました。報道されたザックの言葉などからすると、主として二つの点を観ることができます。
①敵にボールを安易に奪われないように、いやそれどころか味方ボールに体を寄せられないように、早目早目にボールを繋いでいく。そのためにとにかく、味方ボールを受けてあげるフォローの動きを皆が、早くする。上の②に至るまでのやり方ということであって、その基本技術は既に岡田監督時代からほぼ有していました。前方の味方のフォローが早ければ、見事な縦パスが通るということになります。こういう繋ぎの延長として「集団で敵ゴールに押し寄せて、パスの感じでシュートをも流し込んでいく」と、そんな感じなのでしょう。
②それでも敵にボールを奪われたときは、すぐに全員反転から、ボール奪還体制に入る。このボール奪還ということが、この数ヶ月の代表で一番伸びた力だと僕は観てきました。Jリーグ全体のこれが、とても強くなった。
さて、この二つとも、オマーン戦、ヨルダン戦ともに完璧でした。しかも、より強いほうのヨルダン戦の方が、さらに数字が良くなっていました。ボールキープ率は5%以上あがって65%近く、敵シュート数では5本が1本に減ったというほどではなかったでしょうか。選手もずいぶん自信になったはずですし、明日のーストラリア戦にこの自信を持って臨めるのが嬉しいことです。もう、オーストラリアには安易なカウンターは食わないと思います。ケネディ目指したボールの放り込みさえ、自由にはさせないでしょう。相手がボールを出すまでにどこかで押さえてしまうはずですから。すると怖いのは相手セットプレーだけです。たとえこれで1点取られても、香川(マンチェスター・ユナイテッド)・長友(インテル・ミラノ)と岡崎(シュトゥットガルト)・内田(シャルケ)と左右交互の攻めに前田・本田・遠藤・長谷部が絡んだ攻撃陣を今のオーストラリアが押さえられるとは、僕には思えません。顔ぶれからしてそろそろ、格が違っています。
ヨルダン戦は「3点以上差を付ける」とお婿さんと賭をして勝ちましたが、今度も2点は差が付くと思います。
南ア大会直前に岡田武史監督は最後まで迷い、悩んでいました。「それまで目指してきた前から行く全面プレス守備で行くか否か」を。そして、土壇場になって「低いブロック守備陣形」に切り換えたのでした。「得点力がない日本が先取点を取られたら苦しいから、守備の中盤を一人増やしたブロック守備でいく」と。そこに阿部勇樹が入って中村俊輔が外れ、本田圭佑のワントップという奇想天外な布陣が生まれたのでした。それまで目指してきたスペイン型の全員攻撃全員守備戦略にむらがありすぎたことによる結末と言うことができます。
この長期戦略目標実現は良いところまで行っていたのです。ヨーロッパ遠征でオランダと競り合ったなどと。しかし、ワールドカップの強豪に混じっては、まだまだ無失点の自信がなかったということでしょう。アジア予選でも四苦八苦していたわけですから。
さて、今はその状況がまったく変わったと言えるでしょう。オマーンとヨルダン相手に失点0の得点9です。ここまで何が変わったのでしょうか。まず、ザックジャパンになって間もなくのアジアカップ優勝で既に、こんな変化が見られていたのです。
①守備ではまず、日本の最前線が敵ボールを左右どちらかのサイドに追いやる。そのボールに詰めた中後盤選手は、後ろの味方などまったく気にせずにただ敵ボールだけに集中し、上手く繋がせないようにする。特に、サイドチェンジはこれを許さないこと。
②攻撃は、とにかく縦に速く。縦横両方から攻めて、敵陣形を縦横に広げながら。
③こうして、岡田武監督が果たせなかった、全員攻撃全員守備戦略を瞬く間に補正実現してしまったのでした。
さてそれ以降、まだむらがなくならなかったというのも、明らかです。3次予選最近の2敗は、その現われでしょう。悪いときにはどうしても次の二つの特徴が出ていました。一つは、得意のパスサッカーの繋ぎが当たりの強いチーム相手に後手後手に回った時で、ボールを奪われてカウンターを食いやすかったようです。守備では、センターバックにやや難があって、カウンターとセットプレーに弱かったかと言えましょう。これらの弱点に対してここまでの最終予選2連戦は上の3点をさらに精密にして、明らかに大きな修正が施されていました。報道されたザックの言葉などからすると、主として二つの点を観ることができます。
①敵にボールを安易に奪われないように、いやそれどころか味方ボールに体を寄せられないように、早目早目にボールを繋いでいく。そのためにとにかく、味方ボールを受けてあげるフォローの動きを皆が、早くする。上の②に至るまでのやり方ということであって、その基本技術は既に岡田監督時代からほぼ有していました。前方の味方のフォローが早ければ、見事な縦パスが通るということになります。こういう繋ぎの延長として「集団で敵ゴールに押し寄せて、パスの感じでシュートをも流し込んでいく」と、そんな感じなのでしょう。
②それでも敵にボールを奪われたときは、すぐに全員反転から、ボール奪還体制に入る。このボール奪還ということが、この数ヶ月の代表で一番伸びた力だと僕は観てきました。Jリーグ全体のこれが、とても強くなった。
さて、この二つとも、オマーン戦、ヨルダン戦ともに完璧でした。しかも、より強いほうのヨルダン戦の方が、さらに数字が良くなっていました。ボールキープ率は5%以上あがって65%近く、敵シュート数では5本が1本に減ったというほどではなかったでしょうか。選手もずいぶん自信になったはずですし、明日のーストラリア戦にこの自信を持って臨めるのが嬉しいことです。もう、オーストラリアには安易なカウンターは食わないと思います。ケネディ目指したボールの放り込みさえ、自由にはさせないでしょう。相手がボールを出すまでにどこかで押さえてしまうはずですから。すると怖いのは相手セットプレーだけです。たとえこれで1点取られても、香川(マンチェスター・ユナイテッド)・長友(インテル・ミラノ)と岡崎(シュトゥットガルト)・内田(シャルケ)と左右交互の攻めに前田・本田・遠藤・長谷部が絡んだ攻撃陣を今のオーストラリアが押さえられるとは、僕には思えません。顔ぶれからしてそろそろ、格が違っています。
ヨルダン戦は「3点以上差を付ける」とお婿さんと賭をして勝ちましたが、今度も2点は差が付くと思います。