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サッカー日本の点取り法を見よう  文科系

2009年05月31日 09時22分26秒 | スポーツ
本日ベルギー戦。「チリ戦の4点」が本物だったかどうか、ここで分かる。オシム、岡田の流れからの「日本式点取り法」の完成?に目をこらしながら、ベルギー戦を観戦したいと、僕は思っている。

今の世界サッカーでは、全員防御の防御術が発達してどこもなかなか点が取れなくなっている。クリスチアーノ・ロナウドとかメッシ、アンリとか、フェルナン・トーレスとか、イブラヒモビッチとか、点取り屋に法外な値段が付くのは、そういう選手が希少だからだろう。ましてや、日本人個人に彼らのようなものを求めるのは無理があると思う。ゴール前に必要な屈強さとか、爆発的瞬発力とかがないからである。組織的俊敏さを生かして集団で点を取るのが、今の日本に最も現実的な道だと思う。オシムも岡田もそれを目指してきた。この「日本式点取り法」に必要と彼らが目指してきた要素を上げてみよう。

①まず、ボール保持率の向上。その要素は、「集団でボールを奪う技術と、味方ボールを受けてあげるスペース走り」。つまり、「人もボールも動くこと」。
②このスペース走りをゴール前でもやり切って、集団で点を取る技術の向上。そのためには、ここぞというときに前の全員がゴール前に詰めなければならない。ゴール前にダッシュするには、ダッシュを繰り返す力が必要である。オシム①を鍛え上げ、彼の最後のスイス戦、エジプト戦などでは、ここまでが確立され始めていた。これらの強豪相手にも時に、3点とか4点とかを取り始めていたのであった。
③以上までは、オシムが手をつけたことだが、以下は岡田の狙いである。岡田は「ボール奪取力と攻守の切り替えの速さと」を最も強く要求してきた。これでもって、高い位置でボールを奪えば、②が行いやすいからだ。当たりに弱い日本人は特に、組織的ボール奪取のためにFWもうしろに下がるから、前に詰めにくく、それへの対応ということであろう。全員防御チームのゴールへの詰めを、敵にボールを取られた瞬間の奪取で実現しようという狙いと僕は考えている。

以上の点について、チリ戦を振り返ってみよう。1点目は本田のシュートに数人が走り込んでおり、そのなかの岡崎に敵のクリアーボールが渡って得点。2得点目は、敵ゴールに向かって左サイドに走り込んでいたDFの小沢が、彼に併走していた岡崎にパスを出したもの。4得点目も、山田から本田にパスが渡ったものだった。
何が良かったのだろう。僕はこう思う。1トップの玉田の他、岡崎と本田が常に、「ゴール前に詰める」努力を重ねていたことだ。もちろん、守備にも努めながらのことだから、凄い走力が前提となるのだが、この能力をも見事に示して見せた岡崎と本田はこのゲームでレギュラーを勝ち取ったのではないか。日本的点取りにうってつけの選手ではないかと思う。

今日のベルギー戦、この二人を見ていたい。全員のプレーとして見たいのは次のことだ。①敵ボール奪取の瞬間に見られるはずの、全員の攻撃への切り替え、「ゴールへの詰め走り」。②「詰めた人間たちのスペース走り」とパス交換。③味方シュートへの敵クリアーボールをいつも狙って、さらに前へ詰めているかどうか。特に岡崎はこれが得意なのである。

岡田が言うような「ワールドカップ4位以内」が夢ではなくなってきたかどうか、それが今日確かめられるような気がする。チリやベルギーの監督談話などを読んでみると、世界20位以内のチームに対しているようなものに読めたのは、僕だけだろうか。ちなみに、日本はこれまで、南米チームを非常に苦手としていた。屈強さでもってがつがつ当たってくるのを恐れて、自由度がなかったからである。本田、岡崎、長谷部がこれをモノともしなかったのを目の当たりにして、日本も変わったなと思ったものだった。
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