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親しい友人がオリンピック競技を一緒に見に行こうと言う。
東京オリンピックの事だ、五年後だ。
お互いに病を抱えている身、友人が言っているのはそれまで今の健康状態で過ごしたいという決意か希望かを言っている。
かつて若い頃、自分はマンションを創り、販売する仕事をしていた。
マンション事業は建設用地を選定する段階から、どんな人に買って貰うか、つまり土地価額から判断し、購入予定者の年齢や収入や好み等を決め付ける。そして彼等の心に届くキャッチフレーズを考える。その際、広告制作会社から様々な販売促進のための提案を受ける。
提案の一つに『マンション選び、おわりーっ!』があった。
初めてマンションを買う人は5~10ヵ所のマンションに足を運び見て比較する。それは当然だ。価額や環境や駅からの距離も違う。さらに仕様・設備や管理もそれぞれに違う。
聞いた瞬間はドキツとした。
凡庸なクリエーターだったら「駅から近いです」とか「今日から新生活を」などと、つまらないメッセージを思いつくだろう。しかしこの広告の若い作り手は『マンション選び、おわりーっ!』と言うワンフレーズで人生の全てを言い尽くしてしまった。
人生は多分、「おわりーっ!」の連続である。
学生は試験が終われば「試験、おわりーっ!」と心の中で叫び校門を出る。会社員は仕事が終われば「仕事、おわりーっ!」と呟いて帰りの駅に向かったり、行きつけの居酒屋に向かうだろう。人間は人生を「○○おわりーっ!」のために生きている。だから「○○、おわりーっ!」と言う言葉ほど快感を伴うものはない。
人生に最後の瞬間になんの未練も哀しさもなく「人生、おわりーっ!」と叫んで、あの世とやらに行ける人が最も幸せかもしれない。
ある時、突然風が吹き、我が身も運び去られるような時が来る。その時はこの親しい友人にも深い感謝の気持ちを込め、言葉少なに「人生、おわりーっ!」と告げたい。
夕暮れになると、なんだか物悲しいものです。
赤ん坊も黄昏泣きをするそうです。今回のブログは、そんな寂しいものでなく、なにか次を期待する「おわりー!」ですね。
最近、新しいことに挑戦する意欲が無くて困っています。失敗することを恐れているのです。やっぱり、歳ですかね。あーやだやだ。