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(有村よう子さん/佛乗院)
50人も座れば満席になるお寺の本堂でライブが開かれた。
透き通る歌声と歌唱力 、飾らない親しみ易い人柄を感じさせる話で会場が一つにまとまった。有村よう子さんはジャズボーカリスト。サックスとベースの奏者も一緒だ。
聴衆は年配者が多い、殆どが女性だ。近所付き合いしている関係で出席させて頂いた。
先ず「枯葉」が始まる。三曲目のオードリー・ヘップバーンの「ムーンリバー」(ティファニーで朝食を)あたりから本堂内に手拍子が起こる。
年配者が多いことは事前に解っていたのだろう。演奏曲は40~60年代のジャズで皆が知っている曲だ。会話をはさみながら次から次へと演奏されていく。
涙を拭う人もいる。
愛した人が祀られていているお寺で、かって愛した人と共に楽しみを共有するするひと時は、思い出と共にその人を失った瞬間の記憶が蘇り、何かに付け辛い時間なのかもしれない。
ビートルズの「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」やヒット中の「「レット・イット・ゴー」(アナと雪の女王)と続いた。
ナマの音楽は身体にも優しい。ベースの低い音がグイグイと体に染み込んで来る。そして思わず足拍子をとっていた。始まる前に頂いたワインが効いているのかもしれない。
ご本尊の阿弥陀如来像の前の二本のローソクの炎も微かに揺れているように見えた。
リクエストの拍手がいつまでも本堂内に鳴り響く。「ルート66」と「ミスティ」でお開きになった。
お寺の外に出た人々の顔には、安堵の表情が観て取れた。きっと密やかに心の落ち着く時間だったに違いない。
日常は住職の読経しか聞けないご本尊の阿弥陀如来も、この日ばかりは住職と共に大いに気分転換になったに違いない。明日からどんな表情に変わるかな?さらに柔和になるのかな?