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(本覚寺/鎌倉)
「年寄りはこんなもの」という思い込みが人にはある。
実際には高齢者と言っても様々な趣味や価値観、それに現役時代の職業や出身地も違う。
それなのに「高齢者はこんなモノを好むだろう」と周囲が勝手に考えてしまう事も多い。例えば、先日、知人の母が入所している老人ホームに同行した時、昭和時代の「青い山脈」や「故郷」などの音楽が流れていた。知人が言うには母が好んで聴いていたのはSMAPの曲だったそうだ。しかしそんなジャンルの比較的新しい曲が聞こえてくることは全くないらしい。
自分は昭和の女性歌手の歌謡曲やクラシック音楽好きで、フォークソングもアイドルの歌なども全く聴いていなかったから、もし将来老人施設に入って、このような音楽ばかりを聴かされると思うと今から苦痛でならない。しかしもっと高齢化社会が進めば、状況に合わせて社会もそれらの施設も変わっていくだろうと期待したい。
他方、他人に「高齢者はこんなもの」と決めつられること以上に、自分自身でそう思ってしまうのは問題だ。
「自分は年寄りだから派手な格好をするわけにはいかない」とか「年寄りらしい行動をとらねばならない」などと考え、地味で年寄り臭い服装や行動をしてしまいがちだ。
もちろん、そのような行動を好んでしているのであれば何ら問題はない。ところが時たま聞く「私のような歳で、こんなことは見っともない」とか「良い歳なのだから、こんなことをしている場合ではない」と思うことは自分を逆に苦しめる事に繋がるのではないか。
自分についても固定的なイメージを払拭して、他の高齢者に対しても非難などせず、お互いに自由にありたいものだ。