海側生活

「今さら」ではなく「今から」

狙いたい

2015年03月15日 | 鎌倉散策

(妙法寺/鎌倉)

五位に入賞した。
今年で出展三回目になる写真の作品発表展で、来場者1500人による人気投票の結果だ。一人が二点づつ、50人が出展した。

入賞は意外だったが、作品の出来栄えには満足していない。

講師は日頃の教室で教える。
風景写真の面白さは被写体の発見にあるといっても過言ではない。誰もが見える風景ではなく、自分の心や目に訴えかけてきた風景を「心優先モード」で抽出する。しかし自己満足に終わらず第三者の共感が得られるように表現する事。また、芸術の世界ではその域に達した者は誰もが言うが、型を先ず身に付けよとも。
これまでも講師から「貴方は何を撮ったのですか?」とか「これは何ですか!」と何度も叱咤された。型もマスターしていないのに型破りばかりをしている、もっと基本を身に付けよと言う事だったに違いない。

一位だったIさんの写真には会場で思わず目が釘づけになった、二点とも。
出会い頭に目の前にある風景を偶然に撮った自分の写真と、狙わないと絶対に撮れない彼の写真。聴けば第三者の共感が得られ、また感動すら与えるような作品は、やはり並外れた努力の結果なのだ。

狙って撮ると言う事は季節が限られ、天候に左右され、更に時間が限定される。

今、撮りたい写真は小雨に佇む女性だ。
ある寺の荘厳な本堂に向う静寂な参道があったとする。もし霧雨が煙っていたら、周囲の樹々は濃い緑色に染まり、参道の石畳にも反射光が無くシットリとした艶やかさが増すだろう。境内には紅白の梅の花が咲き誇っている。更にそこに真っ赤な蛇の目傘を差した和服姿の女性が一人佇み花を愛でていたら、雨に濡れるのも忘れ、きっと夢中でシャッターを押し続けるだろう。

狙って全てが最高に上手く運んで、初めて狙った通りのものが撮れる

何事も狙わないと何も生まれてこない。