那覇市に住む友人の話によると、那覇市近郊の不動産の価額が上がっていると言う。それも中古マンションの値上がりが著しいと言う。
知人から転居の挨拶状が突然舞い込んで来た。
「中学生の子供と猫を連れ、地震と放射能の恐怖から逃れて、東京から沖縄へ自主避難しました。今は、水道の水が普通に飲めること、マスクをせずに思い切り深呼吸できることの有り難さを噛み締めています」と、あった。
彼は2DKのマンションを買ったらしい。
福島県では夏休みまでに小中学生7600人が県外に転校し、さらに転校希望者は1万人を越えると言う。
福島県内の全小中学生17万6600人余りの約10%が減る計算になる。多くは「放射線への不安」を理由に挙げたという。
ある小学校では夏休みまでは、毎日のようにお別れ会があったとも言う。
自分も転校の経験があるが、その時の事を思い出すと心がチクチクする。あの時、父の赴任先へ引越しの時、自分が乗った列車を途中で待ち受け、何かを叫びながら追いかけて来て、姿が小さく見えなくなるまで手を振り続けた友人達、いつの間にか自分も涙を流しながら手を振り続けたあの時、そのシーンを思い出すだけで胸が締め付けられる想いがする。
福島県では、これからもお別れ会は続くだろう。
地震や津波による災害には当然復興は急がねばならないことは言うまでも無い。
しかし原発事故に復興は無い、収束を図るだけだ。
国会の参考人説明(7/27)で、児玉龍彦・東大教授によれば、福島原発からは広島原爆20個分の放射性物質が飛散したという。残存量もはるかに多く、今後の影響の大きさ、広さは計り知れない。
二度と故郷に戻れない、故郷を失った人は数え切れない。
築きあげた人生を壊された人も又数え切れない。