(源平池/鶴岡八幡宮)
楽しい付き合いというものは、ありのままの自分を見せ合うことのできる付き合いである。
これまで多くの時間を共有し、何でも言い合い、何を聞いても驚かず、そして理解と信頼を深めてきた人だけだ。
「これ、食べない?」「いらない?じゃ食べるよ」と言って自分が食べるような人との付き合いが楽しい。
「食べない?」「いらない、美味しくないから」という人との付き合いも悪くない。
まずいモノを美味しいと言いつつ食べる食事会は楽しくない。しかし、まずいモノでも美味しいと言って食べるのが付き合いと思っている人達もいる事は確かで、要するにこれは気質の問題かもしれない。変人は変人と、常識人は常識人と、それぞれ気質に合った付き合いが楽しい。だがそうはいっても変人が常識人と付き合わねばならない場合があるのが世の常である。その付き合いは楽しくはないだろうが、これも人生と考えるしかないと思ってきた。
たまには「美味しいモノ」を食べに行こうと、家の者に言われても、「美味しいモノ」とはどんなモノか瞬間考えてしまう。出汁の効いた味噌汁と炊きたてのホカホカご飯が自分の「美味しいモノ」
だから。そんな自分に気が付くと「良し、順調!」と思う。たいして努力もしていないのに、自然に順調に欲望が涸れていっていることに満足する。
しかし、あらゆる欲望が涸れていくのを何かの都度に感じることが多くなった今、人生の修行とばかりに何事も我慢はしたくない。
もっと我が儘になりたい。