海側生活

「今さら」ではなく「今から」

神無月の思い違い

2011年10月24日 | 鎌倉散策

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都心から逗子まで約一時間の電車の道のり、つい眠り込んでしまった。

終点だから良かった。車掌に起こされ、改札口に向かった。寝ぼけ眼でバス停を見ると、すでにバスが止まっている。自分を待っていて呉れたような気がして小走りにバス停まで急いだ。日中は20分間も待つことがある。今日はラッキーだと思った。
バスが出て、何だか窓からの景色がいつもと違う。まだ自分は寝ぼけているのかと思った。次のバス停に着いて眼も覚めた。
同じバス停でも行き先の違うバスに乗ってしまったのだ。

思い違いでこんな事もあった。
散策途中、ある神社で神事が行われていた。10月は一般には神無月(かんなずき・かみなしずき)と呼び、全国の神様が出雲・出雲大社に出向き不在だと言うのに、どうしてこの神社は神事が行えるのかと気になった。夜になって自分の思い違いに気が付いた。

鎌倉の神社や仏閣の約150箇所は歴史散策の途中、この二年間ですべて立ち寄りお参りをした自分だが、今なお伝統行事などでは旧暦を使用する事をその時はスッカリ忘れていた。現代の暦10/1は旧暦の9/5であり、旧暦の10/1は現代の暦の10/27である事が考えから抜けていた。

聞けば、出雲大社では「神議(かみはかり)」がなされる故事に由来し、今年は11/5~11/12にかけて神事が行われると言う。そこでは全国の神様が集まり、全国の人間の運命について話し合い、中でも誰と誰を結婚させるか等という事を打ち合わせすると言う。
出雲以外は神無月と呼び、出雲は神在月(かみありつき)と呼ぶ慣わしだと言う。

また、出雲に神様が出向いてしまっては、その地域を鎮護する者がいなくなるということから、「留守神」と呼ばれる留守番をする神も居て、一般に留守神には恵比須神があてられ、神無月に恵比須を祀る恵比須講を行う地方もあるとの事も改めて知った。

早々に思い違いしたあの神社に失礼を詫びると同時に改めてお参りに行こう。
寝ぼけ眼ではなく、頭もスッキリさせて。