棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

性は安らぎを得るため 62-愛欲曼荼羅

2009-01-06 08:47:03 | 大人の童話
ーマスートラの解説をするのが目的ではなく、性愛に対してのインドとヨーロッパの宗教観というか、道徳観の違いを知ってほしかったのだ。とはいっても、時代背景はおおきく違い、白人社会の道徳観を絶対視することはないのだ、と言っておきたい。

もうひとつ、四千年の有史を残す中国を見てみる必要がある。
中国の性愛の「房中書」の根本は皇帝のためのもので、欲望のおもむんままヤッテはいけません、ということだ。
殷王朝末期の(紀元前1000年)の著書に、皇帝は酒池肉林の饗宴を催し、最高に盛り上がった頃等身大に描かれた春宮画(春画-枕絵)を飾り、更に励んだとある。これは情欲おもむくままの淫乱世界で、儒学者が時々いましめた言葉が残っている。
後漢時代の「文芸誌」にセックスは聖人が性を楽しむごとく、節制あるものでなくてはならない と提言している。つまり、情欲のおもむくままでは、病気になり命すら落としてしまう。性の本来の目的は 穏やかな安らぎを得ることによって、長寿をまっとうすることにある と。
哲学的な域まで追求した性愛書であったが、現実にはセックスの技巧書として読まれ、淫乱にふけったのであろう。
写真は敦煌莫高窟飛天壁画

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