棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

熱帯朝の川面は寒い カリマンタン

2008-05-08 08:40:15 | 海外紀行文
川面から広々とした空の広がりに、木々の枝がかかりだすと、上空がなんとなく賑やかになってきた。
アムラム君が指差す先に天狗猿がいる。フワーと大きな影が横切る。ドイツの青年がサイチョウだと教えてくれた。
鳶よりもかなり大きいが、私の写真機ではモノに出来なかった。

乗り合い船はひたすらトコトコトコトコ。
空が赤味がさしてくる。今夜はどこの村にとまるのかなー。楽しみー。
だが、この乗り合い船に雑魚寝となってしまった。

熱帯の夜はアッ!というまにおとずれる。
暗闇の中に鬼火のように、赤い光がが点々んとある。目を凝らせば、カンテラの番人の小屋がある。人の動きが、幽霊のように見える。
ライトをあちこち照らしながら、船はトコトコトコトコ。エンジンの音にあわせ電球がまたたく。
もう誰も語らず、身を縮めて川面を見つめ、一人二人とごろ寝。

寒さに目が覚める。
川は深い朝霧に包まれ、幻想的だが危険でもある。
地元の丸木船が、漁や交通手段として、けっこう運行しているのだ。
両岸に樹木が見え出すと、川霧は一気に消えへ、とたんに気温があがった。
イラストは後記します「森へ帰ろうⅡ」の表紙




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