棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

大天才-宮沢賢治

2010-06-05 07:35:59 | 山郷の暮し
間一髪--すばやい首相交代で菅首相が誕生しました。おおいに期待いたします。
昨日に続き宮沢賢治文学への思いです。
賢治の解りにくい文学の中で、詩はもっと贅肉がそぎおとされ、弦を締めてゆけば切れる寸前に放つ音のようだ。
賢治自身、詩というのではなく心象風景だといっている。つまり、抒情詩とはまったく異なった次元なのだ。
正直、私は賢治の詩を抒情詩的な解釈で読んでいたからサッパリ解らない。
次元を、時空を変えた心象世界からのメッセージだったときずいてから、徐々にベールが開けてきた気がするのだが・・。
つまり、抽象画を具象世界の観点でいくら観ても理解できないのとおなじことだった。そんな初歩的な間違えをしていたのだ。

かえる・かに・きつねなどなど生き物ばかりか、石などの非生物体になりきってしまう。作家が彼らを通して語るというのでなく、完全になりきってしまうところがすごい。
読み手の私たちがついていけずに戸惑ってしまうのである。
今私は久しぶりに「宮沢賢治詩集」を手にしているが、正直一ページ読むのにドット疲れてしまう。
いとも単純な話が解らない「アア・オレはカエルになりきっていなかったんだ」と。
賢治の解らない詩の中で、そのまま伝わってきて感動するのが妹の死を詠った 無声慟哭--永訣の朝 だ。
詩の中で、臨終まじかのとしこが「それでもからだくさぇがべ?」と言う。、なんとも女性の最後のきらめきが印象的だ。
私の駄文よりも賢治文学を読みましょう。

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