棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

8-MY-TIBET チベット仏画について

2009-11-08 08:28:49 | 創作活動
石窟壁画で代表的な敦煌漠高窟の壁画群や西域の仏画は、今にも壁面から離れ、舞いあがってきそうな仏や伎楽天たちです。
のびのびとした、実に楽しそうな様子に私はすっかり魅せられ、私の仏画世界の原点であり、帰着点であると思っています。
約束事にのっとりながらも自由な筆図解のそれらの仏画に、芸術家の創作意欲が感じられます。
それでは本題のチベットの仏画ですが、チベット仏教-ラマ教の仏画は、西域の仏画とムードがかなり違っています。
他者と時代背景が違うので、当然そのまま比較をすることは出来ませんが、歴史的に他の地域からの技術的影響は少なかったのではないかと思います。

チベット寺院には、15世紀の曼荼羅絵の精緻な壁画が残っていますが(手元に写真がありません)、中国から脱している作風を感じます。
18世紀以前まではかな自由な作意が感じられますが、しだいに幾何学的定義ずけが確立していきました。今日かなり厳しく伝わっております。
チベットの大寺院の壁画は独特なエネルギーの発散があり、圧倒されてしまいます。
其のことをもっと芸術家として語らせていただきますと、日本の仏画の多くが、春のような暖かな空気が漂う静寂な世界を感じますが、チベットの仏画世界は仏たちは、叫び動き回っている躍動感にみちあふれているのです。
いったいこの違いはナンなのでしょう。
人と空気、なにより宗教観、歴史の違からくるものでしょうか・・・・。

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